激戦ドラッグストアで存在感を増す「トモズ」、“働く薬剤師"の真相

患者と向き合う時間を増やすためロボット活用

医薬品を準備する業務と収集業務の約9割を自動化

住友商事子会社のドラッグストア「トモズ」が設立されたのは1993年。「米国のモデルを意識し、ゼロから立ち上げてきた会社だ」―。執行役員ライフスタイル・リテイル事業本部長の佐藤計は、トモズの誕生経緯をこう表現する。

米国では自分の健康を自分で管理するセルフメディケーションが浸透。病院に行く前にドラッグストアで薬剤師に相談し、OTC(対面販売用の大衆薬品)を使って対処することが多いとされる。当時、国内での医薬分業率は2割弱程度とされ、調剤併設型の取り組みは珍しかった。

その後、医薬品を院外の薬局で調剤して手渡す流れが進み、医薬分業率は約7割まで高まった。ただ、競合するドラッグストアも調剤併設型を増やしており、どのようにして差別化を図るのか。佐藤は「生活動線の中で気軽に立ち寄れる場所を目指している」と話す。

トモズの店舗戦略は明確だ。立地先は都市部の商業ビルやショッピングセンター、駅前など利便性の高さを重視。調剤併設型を展開する。現在、約180ある店舗のうち約130店は調剤併設型だ。トモズの売り上げ全体に占める調剤の割合は約3割で、OTCを含めると約4割にのぼる。

薬剤師が患者と向き合う時間を増やすための取り組みも進む。2月、千葉県松戸市内の店舗でロボットや調剤機器を複数導入した。処方箋に基づいて医薬品を量り、混合・分割する調製業務や複数の薬剤を一包ずつパックする作業など、薬剤師が処方箋に従い医薬品を準備する業務と収集業務の約9割を自動化した。導入前に比べ、患者の待ち時間を約2割短縮できた。薬剤師の作業負担が減った分、患者の相談に向き合う時間を増やすなど「かかりつけ薬局としての機能を強化したい」とヘルスケア事業部長の長谷川博史はいう。

今後は、効率化した時間を生かし、薬剤師が患者宅や有料老人ホームなどの施設を訪問する在宅調剤の強化など地域との接点をより拡充していく。(敬称略)

日刊工業新聞2019年12月19日

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