3Dフラッシュメモリーの大容量化へ半円形セルだ!
キオクシアが開発
キオクシア(旧東芝メモリ)は記憶素子(セル)を垂直に積層する3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーの大容量化につながる半円形構造のセルを開発した。従来の円形セルを半円形にすることでセルを小さくし、高集積化を実現。さらに情報の書き込み速度に関わる値が従来の円形セルより高くなることを示した。フラッシュメモリーの大容量化や低コスト化につながる可能性がある。
半円形状のセルを採用し、電荷蓄積層に電荷を捕まえやすい導電体、ブロック膜にはリーク電流(漏れ電流)を下げる高誘電率絶縁体を使用した。通常の円形セルに比べ、情報の書き込み速度に関わる「書き込みスロープ」の値が良くなることを示した。
すでに同社は96層のセルを積層した3Dフラッシュメモリーを開発し販売している。これまではセルの積層数を増やすことで大容量化を実現していた。だが100層を超えると、アスペクト比(縦横比)が高くなり加工が難しい。そのため少ない積層数で情報の記録密度を高くすることが求められていた。
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日刊工業新聞2019年12月12日