しっとりやさらさら…素材の「感性」価値を定量化、どうやって?

素材の感触がもたらす感性価値へのニーズが高まっている

三井化学は、しっとりやさらさら、シルキー感などの感性価値の研究を加速する。新たに質感に作用する因子を発見し、研究成果をもとに開発した素材の提案活動を始めた。自動車業界などで素材の感性価値へのニーズが高まっており、より効果的な素材開発や提案につなげる。

三井化学は、自動車の内装材に使われる熱可塑性エラストマーや発泡ポリウレタン、不織布を中心に、約4年前から感性価値の研究を始めた。例えば、「しっとり感」について、聞き取り調査によって複数サンプルを点数化。指との相互作用や各種物性データと合わせて、感性価値と素材の構成要素などの関係をマッピングした。

「快適性などの感性価値は表現が曖昧で、人によって感じ方も違う。これを素材の物性に翻訳し、素材に詳しくない人との間でも会話できるようにした」(近藤隆博研究開発本部高分子材料研究所主席研究員)。これにより、開発の上流段階との交流も増えているという。

これまでの研究で、質感に作用する新しい因子を複数見つけた。同因子を制御し、ニーズに合わせて幅広く設計できるようになった。触感改良の新たなアプローチも見えてきた。「顧客から触感のいい素材として顧客に認められてきている」(栗田隼人同研究所主席研究員)という。

高い質感と低コストの両立や、より皮革に近い質感、樹脂にしかできない質感などを視野に、研究を加速させる。最終的に、顧客が求める感性価値に対して、素材と層構成、表面の凹凸構造の最適な組み合わせ提案をできるようにする。

日刊工業新聞2019年12月12日

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素材 三井化学

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