おせち文化を後世に、高島屋の進化するおせち料理

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山下次長バイヤーと家族三世代おせち

高島屋は百貨店の中で、おせち料理の品数が1番多いと言われる。約1150アイテムのうち百貨店のみの販売は900、ネット通販のみは250ある。900もの商品を扱うのは「お客さまに来店いただき、より良いものを選んでいただきたい」(山下聡MD本部食料品・リビングディビジョン次長バイヤー)との思いからだ。あらゆる世代、体調などが異なる人たちが楽しく食べられるおせちを追求している。

2019年の正月向けの販売数トップは、高島屋オリジナル「和・洋・中 二段重」(消費税抜き2万円)で、約2600を販売。原材料の生産国にこだわり、食の嗜好(しこう)の多様化に合わせて、和・洋・中を楽しめるよう開発した。

20年の正月向けは今年9月の予約開始以降、「機動戦士ガンダム 放送開始40周年記念 家族三世代おせち」(同2万7000円)の注文が多い。和・洋・中のほか、3段目にキャラクターの焼き印入りかまぼこなど子どもが喜ぶ料理を詰めた。アニメや特撮などエンタメ系おせちは「祖父母が帰省した孫との会話のきっかけになればと市場投入した」(山下次長バイヤー)。9年目となるエンタメ系おせちはバイヤーの意図通り、祖父母やその子どもである両親らがこぞって購入している。

山下次長バイヤーは高齢者や食べ物に制限のある人にも目を向け、卵やエビなど特定原材料7品目を使用しない、食塩相当量1グラム、やわらかいムースタイプなどの製品も用意した。健康系おせちのニーズは高く「商品数を従来比で1・5倍に増やした」(同)。

今、山下次長バイヤーが気になるのは、おせち文化の継承だ。若い世代にはおせちを食べない人たちもいる。「日本にはお正月があり、おせちがある。一つひとつの料理にはいわれもある。若い人たちにそのからくりを説明すると興味を持ってくれる」(同)といい、バイヤーとして発信を続けながら、後世におせちを伝承していきたいと思いをはせる。

日刊工業新聞12月13日

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