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国内メーカー初の商用化へ、川重が新型水素液化機の実証に挑む

川崎重工業は5日、国内メーカー初の商用化に向け、新型水素液化機(写真)の実証実験を播磨工場(兵庫県播磨町)で始めたと発表した。2020年5月まで連続運転を実施。商用機としての性能の信頼性や設備の耐久性などを確認し、営業活動を始める。実証で液化工程の多様なデータを取得し、将来のさらなる大型化につなげる。

新型機の1日当たりの液化水素発生能力は約5トン。2014年に開発した従来機より液化効率を約2割向上、業界トップ級の性能を達成した。

従来機と同様に圧縮した原料の水素ガスを冷凍サイクルで冷やされた水素と、浄化機内で熱交換しながら冷却して液化水素を作る。液化工程の改良や設計の見直しにより、液化効率を向上しつつ、本体重量も約3割軽量化した。今後、1日当たり約25トンの液化水素を生産できるシステムまで商品構成を整備する。

水素は使用時に温室効果ガスが発生しないクリーン燃料として発電用や燃料電池車用で普及が見込まれている。政府も水素社会の実現を目指し、水素エネルギーの利用拡大を推進。川重は水素を効率良く貯蔵、輸送する手段として独自技術による液化システムの研究に取り組んでいる。

日刊工業新聞2019年12月6日

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