ヒートポンプを活用、東京五輪を狙う「冷たいベンチ」
ネギシ、来春投入
ネギシ(埼玉県上尾市、根岸操社長、048・772・0933)は、ヒートポンプを使った冷たいベンチ「クールベンチ(仮称)」を2020年春に投入する。暑い日に涼を得られる場所として提案する。東京五輪・パラリンピックや万博など大きなイベントや工事現場などでリースやレンタルでの利用を狙い、年間1億円の売り上げを目指す。
クールベンチの熱源はヒートポンプで、中央の円柱から冷風を吹き出して空間を冷やす。ベンチには6人程度が座ることができ、座面の温度は25―30度Cを保つ。日差しを遮るテントもセットとし、冷却効果を高める。
ベンチの座面は直径約1・5メートル、高さが2メートル、重さは350キログラム。座面の裏側が水槽となっており、結露を防ぐために潜熱蓄熱材(PCM)を使う。座面や背もたれの素材はアルミニウム。価格は1カ月のリースで4万5000円(消費税抜き)。販売する場合は、ベンチとテントを含めて価格は420万―450万円(同)程度。
9月末に埼玉県熊谷市で開かれたラグビーワールドカップの会場に設置したところ「非常に好評だった」(根岸社長)という。ネギシは1986年設立で、潜熱蓄熱材を使った製品の開発を手がける。
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日刊工業新聞2019年11月14日