JR東日本が「CO2フリー電車」を実現させる“風"

風力発電開発を加速

JR東初の風力発電所として16年に稼働した「JR秋田下浜風力発電所」

JR東日本は鉄道営業エリア内外で風力発電開発を加速する。すでに東北では総出力数十万キロワット規模の開発案件を進行させている。2030年までには、自社開発の再生可能エネルギーを使い、東北を走行する電車の二酸化炭素(CO2)フリー化を達成する見通し。エリア外の北海道や静岡県、愛媛県でも開発調査を進めており、ESG(環境・社会・企業統治)経営の観点から新エネルギー事業を拡大する。

JR東日本は、秋田県の由利本荘市沖で計画されている総出力70万キロワット、国内最大級の洋上風力発電に参画。北海道えりも町の山中では総出力40―50万キロワット級の風力発電所を構想し、事業化を見極めるための風況調査と並行して環境影響評価の手続きに入った。このほか福島、秋田、青森の各県複数カ所、愛媛県や浜松市でも環境影響評価の手続きや地元協議を進めている。

風力発電の開発に取り組むのは子会社JR東日本エネルギー開発(東京都港区)。事業を通じた環境貢献とエネ地産地消による地域振興、活性化を狙う。

グループでは主に、福島県で出力3万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)、秋田県内3カ所で総出力1万4500キロワットの風力発電所が稼働。20年には総出力が10万キロワット程度に高まる計画だ。

発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT)で売電しているため、自社発電所のトラッキング情報付き非化石証書を購入するなど枠組みの工夫でCO2フリー電車を実現する。東北電力管内の全電車に適用できれば、年50万トンのCO2削減可能性があるという。

JR東は30年に鉄道事業のCO2排出量を13年度比で4割削減する環境目標を掲げる。再生可能エネの開発も進めるが、省エネ車両への置き換えや駅設備の省エネ化、列車運行の工夫、新たな省エネ技術開発などで目標達成を目指す。

日刊工業新聞2019年11月13日

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