JR東が常磐緩行線に自動運転導入、営業エリアで初

 JR東日本は8日、常磐緩行線(綾瀬―取手間、写真)で、2020年度末に自動列車運転装置(ATO)を導入すると発表した。JR東の営業エリアでは初めて。ATO導入線区では運転士が出発時に安全確認後、ボタンを押すことで運転を開始すると、次の停車駅の停止位置まで自動で到着する。同線区で知見を蓄積し、将来のドライバーレス運転を目指した高性能ATOの開発につなげる。

 今回導入するのは、相互直通している東京メトロ・千代田線が既に運用中のATOと同等の従来型。JR東は山手線で運行管理と連動して、遅延回復運転を発揮できる高性能型の開発を進めている。

 JR他社ではJR九州が福岡市営地下鉄に乗り入れる筑肥線車両でも搭載している。同日都内で会見した深沢祐二社長は「“スマートトレイン”の実現に向けて、輸送の安定性向上を図りたい」と説明した。

日刊工業新聞2019年10月9日



山手線で実証実験


 JR東日本は早ければ2018年度内にも都内の山手線で自動運転技術の実証実験を実施する。新型車両「E235系」に自動列車運転装置(ATO)機能を試験的に搭載。終電後の深夜、運転手が運転席に座った状態で走行試験を行い、技術課題などを洗い出す。JR東は将来の労働力不足に備えてドライバーレス自動運転の導入を構想。実現に向けて技術開発や環境整備を進めている。

 JR東は電機メーカーと共同で、加速や速度維持を自動で行う列車制御機能を開発中。E235系の列車情報管理装置「INTEROS(インテロス)」を使って、開発中の機能を実車で試験する。

 ATOは線路への進入危険性が低い地下鉄や新交通システムが採用する運転保安システム。加速と速度維持、減速、停止の一連の運転操作を自動で行う。

 信号速度を超えた場合にブレーキがかかる自動列車制御装置(ATC)と組み合わせて運用する。有人のATO運転は運転手が、各駅出発時に安全を確認して出発ボタンを押す。

 山手線はホームドア運用開始時に、ATO機能のうち、駅に近づくと決められた停止減速パターンに沿って自動でブレーキを制御する定位置停止装置(TASC)を導入。このため、ATCの速度制限に従って運転する定速度運転機能を中心に開発が進むもようだ。同技術は、19年5月から実験走行を始める新幹線試験車両「ALFA―X」でも開発、検証を進める考えだ。

 JR東の自動運転は17年春、車両担当部署を中心としたプロジェクトチームを設置。18年7月に発表したグループ経営ビジョン「変革2027」で、安全で安定性の高いドライバーレス運転の実現を掲げた。

 無人運転とはせず、保安要員としての乗務員を乗車させる方針だ。山手線への自動運転導入には踏切の除却、全駅へのホームドア設置などが必要条件となる。また乗務員の育成、資格など法制度の見直しも不可欠になる。

日刊工業新聞2018年11月9日


  

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