児童養護施設の修繕ボランティアに多くの社員が手を挙げる理由
サンゲツは児童養護施設の壁紙、カーテンなどの修繕活動を実施している。多くの施設が予算の都合で修繕が難しいと頭を抱える中、無償で提供する。年間20件を実施し、社員全体の25%にあたる300人が参加する。なぜボランティア活動に多くの社員が取り組むのか。保田貴博総務部CSR推進課長に聞いた。(名古屋・浜田ひかる)
―多くの社員が参加する理由は。
「子どもの笑顔や施設の手助けなど、ボランティア活動を通して社会貢献ができるのはもちろんのこと、川上から川下まで一連の空間づくりに携わる面白さを知りたいと参加する社員は多い。カーペットを敷く、カーテンを取り付けるといった下流工程に業務上携わることがないため、新鮮な体験となっているという声は多い」
―なぜ児童養護施設なのでしょうか。
「児童養護施設の多くは窓ガラスやエアコンの修理で経費を使い、壁紙やカーテンの修繕費を捻出するのが難しい状況にある。『子どもたちに少しでも良い環境を提供したい』という安田正介社長の思いの下、2014年に1件の修繕から始まった。以降、年々件数を増やし、参加人数も増えていった」
―具体的な活動は。
「施設との打ち合わせからはじまり、採寸、柄決め、荷物の積み込み、取り付けなど一部工程を外注先と協力しながらも社員中心で行う。1件につき3カ月はかかる。そのため、少しでもいいから参加してほしいと社員に呼びかけている。活動内容は社内のコミュニケーションツールで発信している」
―今後の活動を教えてください。
「各社員が社会課題に向き合う文化を社内につくりたいと考えている。18年の20件を目標に、本社だけでなく各地の営業所をベースにした活動も促している。また社員のボランティア活動を評価するシステム『サンゲツマッチングギフトプログラム』を始めた。社内の活動だけでなく、個人でも自主的に参加した活動を評価する。今後も、より多くの社員が社会貢献活動に励むことができるよう、環境を整備したい」