換金できないが…社会貢献“可視化”するコインの価値
ソーシャルアクションカンパニー、「アクトコイン」提供
ソーシャルアクションカンパニー(東京都品川区)は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術で社会貢献活動を支援する。1年前の2018年5月22日に創業し、19年1月31日に支援サービス「アクトコイン」を始めた。現在、約1600人が利用する。
例えば同社と提携する団体が呼びかけた海岸の清掃活動に参加すると、サービス利用者はトークン(デジタル証書)を獲得できる。このトークンが独自コイン「アクトコイン」だ。海洋ゴミの勉強会への参加、貧困児童の支援団体への寄付でもコインをもらえる。
ブロックチェーンは活動記録の管理に使われており、利用者はスマートフォンでコインの総数や獲得履歴が分かる。また、持続可能な開発目標(SDGs)の17目標別にも過去の活動を整理して表示する。佐藤正隆最高経営責任者(CEO)は「自分のページは“社会貢献の手帳”。コインで社会貢献を“可視化”した」と語る。
現状、災害をきっかけにボランティアへ参加しても見返りがなく、社会貢献が続かないことがある。同社のサービス利用者はコインの総数で“貢献量”が分かる。自分や他者のページを見て「もっと活動に参加したい」と意欲も湧くので、社会貢献を続けたくなるという。
企業もアクトコインを活用できる。例えば主催したSDGs啓発イベントの参加者にコインを送れる。集客につながると企業はイベントの成果となり、SDGs普及に貢献したと訴求できる。エネルギーベンチャーのみんな電力(東京都世田谷区)は、再生可能エネルギー由来電気の契約者へのコインの付与を予定している。
アクトコインは仮想通貨と違い、換金ができない。ポイントに近いが「名前がポイントだと“ワクワク”しない。仮想通貨と誤解されてもいいからコインにした」(佐藤CEO)とこだわりを明かす。今、コイン交換を検討している。以前に訪ねた地域の活動に参加して獲得したコインと、その地域産の商品を交換できれば、過去の活動の価値は薄れない。コインの履歴が記録されるブロックチェーンならではの機能だ。
現在、アクトコインは無料でサービスを提供している。佐藤CEOは利用者が1万人を超えた段階で資金調達を考えている。企業などの連携団体を増やし、課金モデルも検討する。アクトコインが社会貢献を長続きさせるツールとなれば連携先が増え、社会貢献のプラットフォームとなる。
例えば同社と提携する団体が呼びかけた海岸の清掃活動に参加すると、サービス利用者はトークン(デジタル証書)を獲得できる。このトークンが独自コイン「アクトコイン」だ。海洋ゴミの勉強会への参加、貧困児童の支援団体への寄付でもコインをもらえる。
ブロックチェーンは活動記録の管理に使われており、利用者はスマートフォンでコインの総数や獲得履歴が分かる。また、持続可能な開発目標(SDGs)の17目標別にも過去の活動を整理して表示する。佐藤正隆最高経営責任者(CEO)は「自分のページは“社会貢献の手帳”。コインで社会貢献を“可視化”した」と語る。
活動の意欲に
現状、災害をきっかけにボランティアへ参加しても見返りがなく、社会貢献が続かないことがある。同社のサービス利用者はコインの総数で“貢献量”が分かる。自分や他者のページを見て「もっと活動に参加したい」と意欲も湧くので、社会貢献を続けたくなるという。
企業もアクトコインを活用できる。例えば主催したSDGs啓発イベントの参加者にコインを送れる。集客につながると企業はイベントの成果となり、SDGs普及に貢献したと訴求できる。エネルギーベンチャーのみんな電力(東京都世田谷区)は、再生可能エネルギー由来電気の契約者へのコインの付与を予定している。
地産品と交換
アクトコインは仮想通貨と違い、換金ができない。ポイントに近いが「名前がポイントだと“ワクワク”しない。仮想通貨と誤解されてもいいからコインにした」(佐藤CEO)とこだわりを明かす。今、コイン交換を検討している。以前に訪ねた地域の活動に参加して獲得したコインと、その地域産の商品を交換できれば、過去の活動の価値は薄れない。コインの履歴が記録されるブロックチェーンならではの機能だ。
現在、アクトコインは無料でサービスを提供している。佐藤CEOは利用者が1万人を超えた段階で資金調達を考えている。企業などの連携団体を増やし、課金モデルも検討する。アクトコインが社会貢献を長続きさせるツールとなれば連携先が増え、社会貢献のプラットフォームとなる。
日刊工業新聞2019年5月30日