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リコール足かせで下方修正のスバル、それでも品質問題は大幅に改善へ

SUBARU(スバル)は6日、2020年3月期連結業績予想の営業利益など各利益項目を下方修正したと発表した。8―10月にかけて届け出たリコール(無料の回収・修理)の費用が期初見積もりを大幅に上回ったことや、為替レートを円高方向に見直した影響などが要因。

営業利益は5月の公表値比400億円減の2200億円(前期比21・1%増)とした。

世界生産は従来計画比1000台増の105万7200台(同6・9%増)に上方修正した。10月の台風19号の影響で工場の操業が4日半停止し約1万1000台の生産に影響が出たが、完成検査問題で落としていた操業を通常状態に戻したことが上振れ要因。同日の会見で中村知美社長(写真)は「生産ピッチを9月中旬までに前倒しして戻せたことで通期での影響は吸収できる」との見方を示した。

19年4―9月期連結決算は増収増益だった。米国で「アセント」や「フォレスター」の販売が好調だったほか、販売奨励金の抑制、前年同期に比べリコール関連費用が減少したことが利益を押し上げた。

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し
日刊工業新聞2019年11月7日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
 一過性の品質関連費用を除けば、想定ラインの進捗内容である。実際は「稼ぐ実力」の回復著しい。今回のサプライズとなった品質関連費用は2Qだけで総額650億円に上る。製品品質でつまずいたSUBARUは「品質改革の推進」を中期経営計画で最優先課題として取り組んでいる。設計素子の改善から、現行車の不具合のレビューを徹底して進めている。発見される不具合は市場措置を迅速に実施する。そのため、品質費用が多発する傾向が残るが、レガシーの問題と認識すべきだ。これは2012年のトヨタ自動車の品質問題への対処と同様なアプローチだ。SUBARUの新型モデルの品質は大幅に改善へ転じていると聞く。過去負債を一掃できれば、品質問題は急速に解決に向かうだろうと期待している。

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