豊橋技科大・長岡技科大・高専機構の連携法人が他大学を引きつける理由

全国展開で研究・人材育成

 豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市)と長岡技術科学大学(新潟県長岡市)の二つの国立大学は、国立高等専門学校機構(高専機構)と一般社団法人「大学等連携推進法人(仮称)」の設立を目指すことで合意した。両技科大首脳らが明らかにした。連携推進法人の制度は現在、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で議論が進められており、制度が整った後で、文科相の認定を受ける手続きを始める。設立は2020年度以降になりそうだ。

 国立大の経営改革では、一つの国立大学法人を設立して複数大学を経営する「1法人複数大学制度(アンブレラ方式)」を活用した経営統合の計画が、名古屋大学と岐阜大学など全国で4件が進められている。

 一方、現法人の形を維持したままの山梨大学と山梨県立大学が同じ大学等連携推進法人を活用した取り組みで名乗りを上げているが、高専機構のような大学以外の独立行政法人を含めた法人設立は初めてになるという。

 豊橋技科大と長岡技科大は高専生が編入学する大学として約40年前に発足した。3者の独立性を維持しながら、企業や自治体、金融機関との連携組織「地域産官金協創プラットフォーム」を年度内に作り、大型共同研究の推進や、人工知能(AI)・IT人材などの育成を進める。

 高専機構傘下の全国51国立高専のネットワークなどを活用し、両技科大のある信越・東海だけでなく全国に地域プラットフォームの活動を展開する。

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日刊工業新聞2019年11月5日

山本 佳世子

山本 佳世子
11月07日
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今の法人格を維持したまま、連携を強化する。今回のこの形は、他の大学や各種法人を引きつけることだろう。というのは名古屋大などの統合は、これまでの法人格をなくして1法人にまとめ上げるもので、吸収合併される感を持つ現場に抵抗感がくすぶるが、今回はそうではないからだ。特に高専機構は全国51高専を全国に持ち、教員数は東大と同じ規模、仕組み自体を途上国に広げる世界展開で、政治家や政府の応援も熱い。独立した法人として強みを維持したまま、関係の深い2国立大との相乗効果を引き出す点に、他に真似のできない魅力がある。

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