国立大の交付金傾斜配分、豊橋技科大がトップになった理由

マネジメントなど評価

 文部科学省は国立大学のマネジメント改革などを相対評価し、運営費交付金を傾斜配分する2019年度の新方式で、各大学の結果を公表した。指標ごとの評価から総合的に導いた配分率は、86大学を主な方向性で分けたうちの「地域」では豊橋技術科学大学が、全方位での改革が評価されて1位。「特色」では東京医科歯科大学が、「世界」では京都大学がそれぞれ1位となった。

 これは運営交付金のうち700億円で、各大学の改革の進捗(しんちょく)状況などに応じた増減を、通常の配分基礎額に付けて配分する仕組みだ。会計や人事給与など大学マネジメントの指標を中心に、「世界」の大学のみ「運営費交付金等コスト当たりトップ10%論文数」もみた。

 地域や世界などの枠組みごとに、各指標の90―110%の配分率で“成績一覧”が出て、合わせた結果の配分率を導く。豊橋技科大は会計マネジメント、若手比率など110%の項目が多く、全て105%以上。改革が全方向で進んでいるため全体で108%となった。東京医科歯科大も全てが105%以上で、全体も105%だった。

 京大は人事給与マネジメントが90%など低い評価があり、全体は103%。四捨五入で同じ103%となった東京大学は、施設マネジメントが90%と足を引っ張った。配分の金額は大学の規模が影響することから、東大が2億円弱と最大だ。

 またコスト当たりのトップ論文数の項目は、東京工業大学が110%で1位だった。

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日刊工業新聞2019年8月29日

山本 佳世子

山本 佳世子
09月01日
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成績表は最初に「自己評価と比べてどうか」を、その次に「ライバルと比べてどうか」が気になるものだ。今回の傾斜配分は、各大学への通知は1月にされていたが、「どの大学のどの項目の評価が高かったのか/低かったのか」の詳細は、8月になっての公表となった。「対象は700億円」と昨年末に大騒ぎになった案件だが、「配分基礎額」からの増減幅は上下10%で決まるため、それほどの予算変化となるわけではない。とはいえ、「なんとトップは豊橋技科大」「東大、京大もこんな項目はマネジメント改革が遅れている」など発見は多く、各大学の刺激になるだろう。

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