子どもの生活習慣病「スマホ首」、リスク減らす器具
P3が正しい姿勢“教育”
生活習慣病と聞くと糖尿病や高血圧を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、腰痛や変形性関節症なども生活習慣病だ。P3(東京都渋谷区)は子どもの「スマホ首」を防ぐユニークな製品などを手がけ、自分の体について正しい知識を身につけることで生活習慣病を防ぐことを呼びかけている。同社が推進する「予防」に焦点をあてた取り組みを追った。
「カエルの体について教える前に、学校では人間の体についてもっと教えた方がいい」とP3の中村尚人社長は冗談交じりに話す。もともと理学療法士として医療機関で働いていたが、現在は予防医学に関する製品や事業を手がける企業を経営する。
「予防という分野は保険が適用されないので既存の医療機関は積極的にやりたがらない。だからやることにした」(中村社長)という。P3が手がけるのは“医療の専門家しかできないことを一般人でも手軽にできるように”という理念に基づく製品だ。
例えば、子どもが正しい姿勢を身につけるのに役立つ製品「くび・のびぃる」。ゴムバンドに柔らかいパッドがついた製品で、脇の下にゴムバンドを通したまま頭の上でパッドが動かない位置を探すことで正しい姿勢を自然に身につけられる。
スマホ首と呼ばれるストレートネックや猫背になる人が多い現代では、幼少期から自然に首を伸ばした姿勢を習慣づけることが重要だ。しかし口頭で教えてもなかなか理解してもらえなかったという。この製品を使用すれば誰でも簡単に正しい姿勢を見つけられると中村社長は話す。
なぜ予防にこだわるのか。中村社長は「医療機関は“病気になってから”治療を行うところ。そもそも病気にならなければ病院に行く必要もないし、医療費もかからない」と指摘する。糖尿病や高血圧に比べ、腰痛や変形性関節症などはこれまで予防の呼びかけや教育が十分になかったという。生活習慣を変えることで病気のリスクを減らしてほしいと期待を込める。
P3は一般向けの製品を開発・販売するほか、ヨガスタジオやジムなどを運営する。体に関する教育を行う保育園・幼稚園を今後3年以内に運営することも検討している。2025年に高齢者人口が3600万人を超えると予想されている日本で、健康な体作りは重要な問題だ。正しい知識や姿勢を身につけることで生活習慣病を予防する取り組みは広がりが期待される。
(取材・森下晃行)
「カエルの体について教える前に、学校では人間の体についてもっと教えた方がいい」とP3の中村尚人社長は冗談交じりに話す。もともと理学療法士として医療機関で働いていたが、現在は予防医学に関する製品や事業を手がける企業を経営する。
「予防という分野は保険が適用されないので既存の医療機関は積極的にやりたがらない。だからやることにした」(中村社長)という。P3が手がけるのは“医療の専門家しかできないことを一般人でも手軽にできるように”という理念に基づく製品だ。
例えば、子どもが正しい姿勢を身につけるのに役立つ製品「くび・のびぃる」。ゴムバンドに柔らかいパッドがついた製品で、脇の下にゴムバンドを通したまま頭の上でパッドが動かない位置を探すことで正しい姿勢を自然に身につけられる。
スマホ首と呼ばれるストレートネックや猫背になる人が多い現代では、幼少期から自然に首を伸ばした姿勢を習慣づけることが重要だ。しかし口頭で教えてもなかなか理解してもらえなかったという。この製品を使用すれば誰でも簡単に正しい姿勢を見つけられると中村社長は話す。
なぜ予防にこだわるのか。中村社長は「医療機関は“病気になってから”治療を行うところ。そもそも病気にならなければ病院に行く必要もないし、医療費もかからない」と指摘する。糖尿病や高血圧に比べ、腰痛や変形性関節症などはこれまで予防の呼びかけや教育が十分になかったという。生活習慣を変えることで病気のリスクを減らしてほしいと期待を込める。
P3は一般向けの製品を開発・販売するほか、ヨガスタジオやジムなどを運営する。体に関する教育を行う保育園・幼稚園を今後3年以内に運営することも検討している。2025年に高齢者人口が3600万人を超えると予想されている日本で、健康な体作りは重要な問題だ。正しい知識や姿勢を身につけることで生活習慣病を予防する取り組みは広がりが期待される。
(取材・森下晃行)
日刊工業新聞2019年11月5日