カイロを新たな健康習慣に…“温活”の効果は?

メーカー各社が提案

 カイロを使う目的が、寒い日に暖をとるから健康管理へと変化しつつある。時間をかけて体の深部を温め、冷えからくる症状を緩和する。近年は各社が夏のクーラー冷え対策としても訴求している。1年を通じた“温活”を提案する。(門脇花梨)

体の深部温め疾患予防


 「自身に必要な温め方を見つけ、冷え切る前に体を温めてほしい―」。明治国際医療大学鍼灸学部の伊藤和憲学部長は体を冷やさないことの重要さを強調する。

 簡単なチェック方法は三つだ。まず両手・両肘をくっつけてまっすぐ上に上げる。その際、肘が口から鼻の高さに上がらない場合、体が硬くなっている。手足が冷えやすいため、足や手先をカイロで温めるといいという。

 次に舌の色を見る。舌は内臓機能を反映するといわれる。正常な色は淡い紅色で、淡い白や紫だと冷えやすい。カイロを背中やおなかに貼り、内臓などの体の深部を温めるのを推奨する。

 最後に目をあけた状態で片足で立ってみる。転ぶまでの時間が短いほど、筋力不足と判断される。1分以内に転ぶ場合、体を温めたくても温める原動力が足りないため、運動が必要だという。

 伊藤学部長は「体温が1度C上がると免疫力は30%、内臓脂肪燃焼は13%向上するといわれている。健康習慣として、温活を意識してほしい」と話す。

 そこで各社は、さまざまなカイロを市場に投入している。桐灰化学(大阪市淀川区)はカイロを重ねてポケットにし、指先を挿入できるようにしたカイロ「ポケぽか」を発売した。指先にカイロが密着し、指先をしっかりと温められる。

 また従来品の約2倍のサイズで腰から背中にかけて広範囲で温められる「どデカッ!はる」も発売した。内臓などの体の深部を温めるのに最適だ。

桐灰化学が発売した「ポケぽか」(手を差し込むことで指先が温まる)

 田中健一郎社長は「女性の社会進出で、クーラー冷えが重要な問題となっている。年間通じて使う製品として普及させたい」と意気込む。東日本でのシェア拡大を狙う。

女性向け多く


 また、エステーでは2018年から「オンスタイル」シリーズを販売している。同シリーズは女性向けに特化したカイロで、おなかやお尻という冷えやすい部分を40度C程度でじっくり温める。既に夏に利用している女性も多いという。

 9月には、肌に直接貼る肩用を発売した。肩用は医療機器として販売しており、女性の健康を支えている。

 同社はカイロメーカー、マイコールから事業譲渡を受け、18年に「エステーマイコール」を設立。カイロ事業に本格的に参入した。今後も健康を管理する製品として普及させたい考えだ。

 風邪や肩こりなど、さまざまな疾患の原因となる冷え。解消できれば予防につながり、ひいては医療費の削減にもつながる。新たな健康習慣としてカイロが見直されそうだ。

日刊工業新聞2019年10月17日

  

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