賞金総額1億円!トイレや入浴、車いす生活の支援ロボコンが来年開催

肢まひ患者が自ら操縦者、競技課題に挑戦

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上村グローバルイノベーションチャレンジ実行委員長左と五十嵐つくば市長
 グローバルイノベーションチャレンジ実行委員会(東京都港区、上村龍文委員長)は、2020年9月に脚に障害を抱える人向けの生活支援ロボットコンテスト「グローバルイノベーションチャレンジ2020」を開くと発表した。トイレや洗濯、入浴など、10種の生活シーンを競技化する。

 賞金総額は1億円。12月に参加チームを募集する。世界からロボット技術者を集め、イノベーションで社会課題を産業競争力に変える。

 車いす生活者の起床から就寝までの10種の生活シーンを競技にした。ロボット技術の種類に制限はない。下肢まひ患者が自ら操縦者になり、身支度や買い物などの競技課題に挑戦する。競技ごとに5万―20万ドル(約500万―約2200万円)の賞金が配分される。

 茨城県つくば市が開催場所を提供する。廃校を改修して障がい者の生活空間を作り、競技の様子を発信する。つくば市の五十嵐立青市長は「介護や生活支援ロボは大きな産業になる。先端技術の社会実装を加速させる」と意気込む。競技会は10年間続ける予定。住宅メーカーなどから協賛金を集めていく。

2019年10月23日(ロボット)

COMMENT

小寺貴之
編集局中小企業部
記者

1億円以上の賞金と競技会運営費を集める上村委員長に敬服します。つくば市には2007年から10年以上継続しているつくばチャレンジのおかげで、移動ロボの研究者や学生、技術者のコミュニティーができました。今回、生活支援ということで作業系のロボットコミュニティーも盛り上がることになります。足回りと腕周りの両方がそろい、移動しながらの作業するロボの研究が分厚くなると思います。課題は10種のタスクを順番に解く競技ルールを設けて、できるだけ機能を集約した多機能なロボを目指している点です。10種のロボが開発されても日本の住宅には置いとけないという観点で、このルールが設けられました。ですが多機能な装置は商品化する際に既存の単機能の介護機器にコスパで敵わない可能性があります。健常者向けの生活支援装置を整理してみると、その多くは家電として、単機能装置として売られています。電子レンジが加熱だけでなく、レシピごとに料理をするようになったのは電子レンジが普及して市場が成熟してからです。単機能品で市場ができ、製品開発の競争が起きると多機能化していった製品が多いです。お掃除ロボも最初はコミュニケーション機能や見守り機能はついていませんでした。普及したとしても、機能をそぎ落としたジュネリック家電に食われる可能性があるので、多機能高級機路線は険しい道なのではないかと思います。  介護機器もベッドから車いすへの移乗クレーンやASL患者のコミュニケーション機器など、単機能品はあるものの、その延長で身支度やお買い物、入浴などと多機能化が進んでいるようにはみえません。これは介護保険制度の副作用なのか、ニーズがそもそもないのか、判断が難しい所です。コンパクトで安価な多機能品ができれば便利なのは間違いないです。競技会だけで終わらずに多機能ロボを実用化するには、下肢マヒ者に対して必要な機能を洗い出して、必要な装置を開発する従来法とはひと味違うアプローチで臨む必要があると思います。その一つが筋肉への電気刺激で、動かない身体を強制的に動かしてしまうアプローチだそうです。これで風呂に入れたらすごいことです。非常にチャレンジングな競技会になると思います。     

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