74歳の機械工「22年春まで」現役宣言、引退の意外な理由

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若手に混じり74歳の今もマシニングセンターを操作する大久保さん
 ヒーハイスト精工の製造部に所属する74歳の機械工が約2年半先までの現役続行を宣言し、社内で話題となっている。マシニングセンターや旋盤を操る大久保正さんは、社内の「匠職制度」第1号として定年後も自分で退職時期を決められる立場。体力・気力とも十分で自身の自動車運転免許が有効な2022年春までは通勤すると決めた。尾崎浩太社長は大久保さんの決断に報いるため「匠職」とは別格の処遇も検討している。

 大久保さんは週4日勤務だが、出勤日はフルタイムで精密機械部品などの切削加工に携わる。「出社した方が規則正しい生活ができて、かえって体に良い」として定年後も現場作業を続けてきた。毎朝ラジオ体操と四股踏み、スクワットを欠かさず、帰宅後も腕立て伏せと腹筋運動で体力維持に努める。

 「自分でプログラムを組み、装置を動かし、思い通りの部品が完成するのがうれしい」と意欲もまったく衰えない。ただ、現在は自宅から約40分かけて車通勤しているが、次の更新時での免許返納を決断。通勤手段がなくなり、それを機に引退するという。尾崎社長は「できれば残りの時間を現場作業だけでなく、後進の指導にあててもらいたい」意向。これまでの功績にプラスした師匠や師範のような認定職も考えている。(川越)

日刊工業新聞2019年10月10日

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