東大、暗黒物質の候補「アクシオン」を世界最高精度で探査

 東京大学大学院理学系研究科の道村唯太助教らは、宇宙を構成するダークマター(暗黒物質)の候補の一つとして考えられる「アクシオン」を世界最高精度で探査できる新手法を考案した。光の波が振動する方向を示す「偏光」をアクシオンが周期的に回転させる性質に着目。光の波の干渉を利用し、光の速度などを高感度で測定できる「レーザー干渉計」に適用できるように設計した。暗黒物質の謎の解明が期待される。

 アクシオンは光とわずかに相互作用する粒子。レーザー光の偏光の回転を精密に測定することで、アクシオンが光に与える影響の度合いを表す「結合定数」が分かる。結合定数が高ければアクシオンと光の相互作用が強いことを示す。こうした性質を利用し、レーザー干渉計でアクシオンを測定できると見られる。

 これまでに、人工的に生成したり地球に飛来したりしたアクシオンの検出や、超新星爆発で生成されたアクシオンの観測などが行われてきた。だが実験観測でのアクシオンの証拠は発見されず、より高精度な探査手法が求められている。

 現在、最も精度の高いレーザー干渉計の一つは重力波望遠鏡だ。日本に建設中で2019年中に稼働予定の重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」に今回考案した手法が適用できれば、世界最高精度でアクシオンを探査できると考えられる。

日刊工業新聞2019年9月20日

  

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