環境省が推進する「電気トラック」のメリットの数々

物流と電力の連動モデルを目指す

 環境省は2020年度、電池を交換式にした電気トラックを活用し、物流の温室効果ガス排出を削減する事業を始める。配送センターに戻ったトラックから電池を外し、充電済みの電池を搭載する。充電中の電池には再生可能エネルギーの発電量の変動を吸収する大型蓄電池の役割も担わせる。高価な電池を二つの用途に使い、物流と再生エネ導入の課題を同時解決する事業モデルを構築する。

 環境省は事業開始に向け、20年度予算概算要求に20億円を計上した。

 電池を着脱できる電気トラック、電池をまとめて充電できる電池ステーションを開発する。交換式にすることで電気トラックは充電時間が長い課題を解消できる。

 電池には太陽光パネルや風力発電の電気をためる。トラックの台数分の電池が集まったステーションは大型蓄電池の代替となり、再生エネが発電しすぎた電気を多く充電し、電力需給を安定化できる。

 電池はシェアリング(共有)化して電気トラックから電池のコストを除くため、配送業者は低価格で電気トラックを購入できる。再生エネの発電量の調整用に大型蓄電池を単独で導入する社会的コストも抑制できる。配送センターは非常時にステーションから電力供給ができ、防災拠点になる。

 環境省は他省とも連携して自治体や企業から参加を募り、24年度まで電気トラックや電池ステーションを運用してコンビニエンスストアなどに商品を届ける事業を展開する。

 二酸化炭素(CO2)を排出しない“脱炭素”には、業界を超えた分野連動(セクターカップリング)による再生エネ利用が必要となっており、今回の事業では、物流と電力の連動モデルを目指す。

                  

日刊工業新聞2019年9月10日

松木 喬

松木 喬
09月11日
この記事のファシリテーター

電池の価値を引き上げ、高コストを薄めるビジネスモデルです。高額な電池を交換式にして車体価格から切り離し、電気トラックを購入しやすくします。走行に使うだけでなく、地域の再生エネ電気の充電にも電池を使います。店舗に配送するトラックだと走行エリアは決まっており、計画性を持って充電できます。なので充電時間が重なって契約電力(ピーク)を超えることも防げます。

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