SBIと島根銀行の提携、地銀再生の新たな枠組みになるか

収益テコ入れ

 経営が悪化していた島根銀行が、インターネット金融大手、SBIグループの支援受け入れを発表した。財務基盤を強化する一方で、営業ノウハウなどを取り入れ、収益のテコ入れを図る。超低金利や人口減少を背景に地銀の収益力低下が続く中、地銀同士の合併や経営統合にとどまらない新たな枠組みで生き残りを目指す試みが動き始めた。

チャレンジ評価


 金融庁幹部は「経済環境を考えて新しいことにチャレンジしようという取り組みは評価したい」と指摘。「まずはやってみることが大事」と、島根銀とSBIの資本・業務提携に期待感を示した。

 地銀各行は、超低金利により預金と貸出金の利回り差である「利ざや」で稼げない状況が続き、経営環境は厳しさを増している。金融庁の集計によると、地銀105行の2019年3月期決算は、純利益の合計が前期比22・9%減と3年連続で減少。中でも島根銀は、本業の損益が赤字に転落していた。

経営に余裕なし


 地銀業界ではこれまで、経営に余裕のある地銀が、苦しい地銀を救済する形で行われる合併や経営統合が多かったが、「どこも経営が苦しい中、上位行でも余裕は残っていない」(金融機関関係者)のが実情とされる。

 金融庁は19年度の「金融行政方針」で経営悪化に早めに対処するよう地銀に求めたが、打開策を見いだすのは容易でないとみられていた。

 SBIは今後、複数の地銀への出資を通じ「地銀連合」を構築し、経営合理化などによって利益確保を目指す見通し。北尾吉孝SBIホールディングス社長は「第4のメガバンク構想に本格的に取り組む」と意気軒高だ。

 地銀をめぐっては、8月下旬に野村証券が山陰合同銀行と証券業務で提携を発表した。証券業界も巻き込んだ金融界の新たな枠組みづくりが加速しそうだ。

日刊工業新聞2019年9月10日

  

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