“空のスバル”、民間も防衛もこれから収穫期

常務執行役員・戸塚正一郎氏インタビュー

航空自衛隊の「F2」戦闘機(航空自衛隊公式ページより)
 ―2019年度と先々の業績見通しは。
 「航空宇宙部門の18年度売上高は1317億円で営業利益は60億円。19年度はそれぞれ微増と見ている。一方で5年後の営業利益目標は120億円とほぼ2倍。19年度までは先行投資で経費がかさむが、20年度からは米ボーイングの旅客機『777X』『787』関係の需要が本格的に立ち上がる。先行投資の回収局面、収穫期だ」

 ―自動化も進めてきました。
 「自動化投資はこれまで自動塗装ロボットをはじめ、パネルのハンドリングや表面処理、鋲(びょう)打ちなど各工程でロボット化してきた。引き続き、シール作業や後搬送工程のロボット化を進める」

 「自動化は我々だけの力ではできない。サプライヤーの協力が不可欠。宇都宮工場(宇都宮市)がある栃木県内や中京地域の企業を中心にこうした協力関係を築いてきた。コスト競争力についてはかなり自信がある」

 ―無人機開発は。
 「陸、海、空の自衛隊すべてに標的機を納め、ノウハウも蓄積してきた。無人飛行ロボット(ドローン)も陸上自衛隊に納入している。これとは別に、戦闘機に搭載するジェット無人機も開発済みだ」

 ―戦闘機「F2」後継機の方向性をどう見ますか。
 「新防衛大綱で次世代戦闘機は“日本主導で、早期に開発に着手”と明記されており、それに期待している。次世代戦闘機はF2以上にステルス性や複合材採用が求められるだろうが、対応技術は進歩しており、不安は小さい。F2の複合材利用はできたとはいえ、生産効率は高いとは言えなかった。787の中央翼で培った技術で、現在はぶ厚い複合材に一発で穴開けできる。それだけコスト競争力が高い。短期間で作れる利点もある」

 ―米ベル・ヘリコプター・テキストロンと共同開発したヘリコプターが軌道に乗りつつあります。
 「今後に期待している。民間機を販売するのは久しぶりだ。国内はもちろん、東南アジア諸国など海外にも幅広く売りたい。海外で売るには人と販売網、双方の構築が不可欠。整備はこれからだが、整えば我々が次に目指す次世代ビジネスが実現段階に入る。その意味では試金石になる」
戸塚正一郎氏

【記者の目】
777Xでは中央翼、F2や固定翼哨戒機「P1」、輸送機「C2」などでは主翼や尾翼を担当する、SUBARU(スバル)。ノウハウもそれなりに蓄積していると見ることができる。さらにドローンや無人機の航空管制や衝突防止技術にも強みを持っている。無人機や“空飛ぶタクシー”が多数、飛ぶ未来に、これらの技術は花開くだろうか。
(嶋田歩)

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