生産性が倍増した「細胞コロニー自動ピッキング装置」とは?

顕微鏡画像の自動保存で信頼性も高まる

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特定の細胞を増殖させるクローニング工程を効率化
 【京都】島津製作所は培養中の細胞コロニー(密接した複数の細胞)から、狙ったコロニーのみピッキング(採取・播種)する作業を自動化する細胞コロニーピッキング装置を3日に発売する。iPS細胞(人工多能性幹細胞)の樹立や全遺伝情報(ゲノム)編集による細胞改変などで必要な特定細胞を増殖させる工程を効率化できる。自動化により生産性が約2倍に向上するほか、作業前後の顕微鏡画像の自動保存で信頼性も高まる見通しだ。

 消費税抜きの価格は220万円から。販売計画は発売から1年間で計50台。装置サイズは横200ミリ×奥行き400ミリ×高さ450ミリメートルと小さく、実験室などの限られたスペースでも、培養者の作業の流れを変えることなく、導入できる。

 試料を入れた容器から試料を吸って、分析機器に注入するオートサンプラーの技術を応用した。熟練の培養者の作業を観察して機能に盛り込むことで、人と同じように狙った細胞コロニーだけをピペットで吸い取り、別容器に移し替えられるようにした。操作はタブレット端末からで、画面に映る顕微鏡画像から狙いを定め、ボタンを押すと自動でピッキングできる。

 顕微鏡を見ながらの手作業によるピッキングは、その合間に撮影作業を行うため、作業負担が大きく、手作業の習熟度も必要だった。細胞コロニー48個のピッキング作業(採取コロニーの選定、撮影作業を含む)で新製品と手作業を比較すると新製品の作業時間90分に対し、手作業は175分だった。細胞へのダメージレスや、人と違ってバラつきがないことも確認した。

 再生医療関連市場は、消耗品やサービス、装置などで需要の拡大が見込まれている。

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