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アフリカ16カ国で透析センターの開設を支援した異色の医療機関

徳洲会、アフリカ開発会議でも存在感
アフリカ16カ国で透析センターの開設を支援した異色の医療機関

タンザニア初の現地医療スタッフによる腎移植をサポート、手術が成功し歓喜に沸く日アフリカ医療者(18年3月)

 8月30日まで横浜市で開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)は、首脳会合の他に官民さまざまな主催者による公式サイドイベントでにぎわい、催しの数は100を超した。

 異色だったのは医療機関で唯一、公式シンポジウムを開いた一般社団法人徳洲会(東京都千代田区)。日本最大の医療法人である同会は徳田虎雄前理事長の時代から、主に発展途上国に病院や看護学校の開設支援、医療機器の寄付などをしてきた。

 鈴木隆夫理事長は「中でも精力的に取り組んできたのがアジア、アフリカを中心とした慢性腎不全に対する医療」と話す。これまでアフリカでは28カ国と医療支援の覚書を交わし、16カ国で透析センターの設立を支援した。

 単に機器を寄付するだけでは技術が根づかないのは産業も医療も同じ。同会はノウハウ移転を重視している。2018年3月にはタンザニアの首都ドドマの国立大学付属病院の医療スタッフを指導し、同国初の腎移植手術を成功させた。すでに7例の実績ができたとシンポジウムで発表した。

 地理的にも心理的にも遠いアフリカの地で、先進的な医療を日本の医療機関が支援している。ビジネスを展開する企業にとっても、心強いことだと思う。

日刊工業新聞2019年9月2日

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