三菱重工がエアバス「A320neo」向けエンジンで大攻勢

長崎造船所内に新工場 エンジン部品生産

 三菱重工業は19日、長崎造船所(長崎市)の敷地内に航空エンジン部品の製造を手がける新工場を建設すると発表した。欧エアバスの新型旅客機「A320ネオ」に搭載する「PW1100G―JM」エンジンの燃焼器部品を一貫生産する。最新鋭の工作機械や自動搬送・自動工具交換システムに加え、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)技術も導入し、航空エンジン部品工場で最高レベルの生産性、効率を目指す。投資額は80億円。

 10月に着工し、2020年中に生産を開始する予定で、工場規模はその後も段階的に拡張する。生産規模は月産数十台でスタートし、22年度ごろには同100台以上を目指す。エアバスのA320ネオは高い燃費効率などが航空会社に高評価され、世界規模で受注が伸びている。

 新工場は長崎造船所史料館に隣接した船舶用プロペラ工場跡地に、航空エンジン事業を手がける三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)の長崎工場として建設する。小牧の工場は米ボーイング向けのエンジン量産や、他のエンジン部品、修理や整備の役割で分業する。

 三菱重工業は世界の民間航空機用エンジンの旺盛な需要を見据え、積極的な事業拡大と生産体制整備を進めており、今回の新工場建設プロジェクトもこの取り組みの一環。
長崎造船所内に建設する新工場イメージ

日刊工業新聞2019年8月20日



補修・整備にも参入


 三菱重工航空エンジン(MHIAEL、愛知県小牧市、島内克幸社長)は26日、欧エアバスの旅客機「A320ネオ」シリーズに搭載される航空機エンジン「PW1100G―JM」の修理・整備(MRO)事業に参入すると発表した。2021年度の事業開始を目指す。民間航空機市場は年率約5%で成長すると言われており、エンジンの整備需要も拡大している。

 MHIAELは同エンジンの燃焼器部位の部品製造、燃焼器モジュールの組み立てを担当しており、今後の民間航空機エンジン事業の主力製品に位置付けている。今回、日本航空機エンジン協会(JAEC)を通じて、エンジン開発元のインターナショナル・エアロ・エンジンズ(IAE)との契約書に調印した。

 MHIAELがMROを手がけるのは「PW4000」「V2500」に続いて3機種目。現在、年40台程度を手がけているが、19年度は同50台超になる見通し。数億円を投じて小牧市の自社工場を一部改修し、PW1100G―JMのMROを行う予定。

 PW1100G―JMの開発・製造はIAEを主体として、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)、独MTU、JAECによる共同事業。

 JAECはIHI、川崎重工業、MHIAELの3社で構成される日本側の事業主体で、すでにIHIはPW1100G―JMのMROに参画済み。今後の需要拡大を見込んで埼玉県鶴ケ島市に民間航空エンジンの整備工場を新設する。

日刊工業新聞2018年11月27日


  

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