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倒産7月急増、「増加へのターニングポイントを迎えた」

主に小売業や建設業、不動産業などで増加
 帝国データバンクと東京商工リサーチの民間調査会社のまとめによると、7月の企業倒産件数は、いずれも前年同月に比べ2ケタ増と急増し今年最多を記録した。商工リサーチでは「企業倒産は『底打ち』から『増加』のターニングポイントを迎えた可能性が出てきた」(情報本部・情報部の松永伸也部長)と分析する。

 帝国データが前年同月比13・6%増の783件、商工リサーチは同14・2%増の802件。ともに2カ月連続で前年同月を上回った。原材料費の高騰や販売不振が響いたと見られる。業種別では帝国データが7業種中6業種、商工リサーチが10業種中9業種で前年同月を上回った。主に小売業や建設業、不動産業などで増加した。

 一方、負債総額は帝国データが同10・4%減の916億9000万円、商工リサーチは同17・1%減の934億円とそろって減少した。資本金規模別では中堅・中小企業の倒産が大半を占めた。

 今後の倒産動向については、2社とも増加を予想する。米中貿易摩擦の深刻化や円高・株安の急激な進行などを受けて、企業業績や設備投資の下振れ懸念が広がっている。帝国データは「今後の倒産件数は緩やかな増加傾向に転じる」と予想する。

                    

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