最新カップヌードル工場には「NASA」がある!?機械音ミックスしたBGMも

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関西工場で「NASA室」と称す集中監視・管理室
 人が口に入れる商品を作る食品工場が変化している。食の安全・安心に対する要求は一段と高まり、人手不足対応も待ったなしだ。生産性向上を目指し、ロボット化や自動化・省力化設備の導入が進む。全国にある大手から中小の食品工場の現場を巡り、改革の取り組みを紹介する。

 
 日清食品ホールディングス(HD)は、即席麺事業を担う日清食品(東京都新宿区)の関西工場(滋賀県栗東市)を2018年10月に稼働した。主力商品である「カップヌードル」などの製造を手がけ、日産400万食の生産能力を持つ。関西工場は「次世代型スマートファクトリー」と位置付け、IoT(モノのインターネット)技術を活用し安全性と生産性の向上を追求している。

カメラ700台の目


 関西工場に新設した集中監視・管理室は「NASA室」と称し、工場内の情報を一元管理する。麺生地の品質確認やカップの印字確認など製造工程の中で15カ所のチェックポイントを設け、700台の品質管理カメラで確認する。品質管理のほか工場の電気や水道なども管理室で確認でき、製造ラインに人が入らなくても機械の稼働状況など管理が可能。不良品の発生率は100万分の1以下だ。

 ロボット導入も進める。資材を自動搬送台車で指定場所に搬送したり、搬入した具材の段ボールを開けたりとこれまで人手で行っていた確認や検査、原材料や容器の移動などを自動化。無人化実現とともに人為的ミスも低減した。工場内を「高度清潔区」「清潔区」など3エリアに分け、衛生管理も徹底する。

無人化を視野に


 工場内は近隣小学校の社会科見学の受け入れも想定し、全長200メートルの見学ラインを設けた。赤が基調の奇抜な見学ラインには現場の機械音をミックスしたBGMが流れ、カップヌードルができる全工程を一望できる。榎本孝広関西工場長は「すべてを包み隠さず見てもらい、当社の食に対する安心安全を体感してほしい」と話す。

 労働人口が減少する中、安定供給体制の確立も食品工場では課題だ。関西工場では「生産設備などを工夫し、将来的に現場は無人化に近い形にしたい」(榎本工場長)。管理室で集めたデータを分析し異変を予測して事前に対応できる体制の構築や、人工知能(AI)による品質管理カメラの画像解析精度向上も目指す。(大阪・新庄悠)

日刊工業新聞2019年8月6日

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