赤ちゃんの疾患予防につながる!腸内環境改善のための素材とは?

 三井物産子会社の物産フードサイエンス(東京都千代田区)が取り組むプレバイオティクス素材「ケストース」への注目が高まっている。摂取後は消化されることなく大腸まで届き、ビフィズス菌などの有用菌に対して効果的に作用することに加え、腸管内で酪酸を産生する「酪酸産生菌」などの栄養源になることが文献などで報告されているという。同社では食品展開を通じて着実な普及を狙う。

 ケストースは、タマネギやアスパラガス、大麦などに含まれる難消化性糖質。着目した理由について、栃尾巧研究開発センター副センター長は「腸内環境を改善すれば疾患予防になり、QOL(生活の質)を高められる」と語る。

 現在は乳幼児向けにケストースを多く含んだオリゴ糖類食品「ベビーオリゴ」を展開している。ビフィズス菌や乳酸菌など、有用菌に対して効率的な利用を促すことやアレルギー疾患、生活習慣病の改善につながることなどを訴求する。

 生活産業分野を中心に事業基盤を強化している三井物産にとってヘルスケアは重点分野だ。同社の吉田怜フードサイエンス第一事業室マネージャーは「ケストースは多様なエビデンス(科学的根拠)を有する優良な食品素材。現在注力している未病対策事業における健康増進ツールとして活用していきたい」と強調する。

 ケストースの多様な生理機能の解明などが評価され、物産フードサイエンス、名古屋大学大学院の北浦靖之講師、東京農業大学の遠藤明仁准教授と共同で日本栄養・食糧学会から、「平成31年度技術賞」を受賞。注目度の高まりも追い風に、素材の普及を目指す。

日刊工業新聞2019年7月30日

  

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