日産、苦戦の欧州でバン生産打ち切り

小型トラックは販売撤退も

 日産自動車は欧州での商用車事業を縮小する。スペインのバルセロナ工場でバンの生産を打ち切り、提携する仏ルノーからのOEM(相手先ブランド)車をメーンとする販売に切り替える。小型トラックについても生産を終え、販売撤退を視野に入れる。日産の欧州での商用車事業は伸び悩んでおり、成長軌道への転換は難しいと判断した。ただ一定の需要は見込めるため、ルノーとの提携を活用し効率的にシェアを維持する。

 日産はバルセロナ工場での商用バン「NV200」の生産を2年以内をめどに打ち切る方針。自動車関連情報サービスのマークラインズによるとNV200の2018年の欧州販売は前年比約20%減の1万94台だった。電気自動車(EV)の商用バン「e―NV200」の生産は当面継続するが、次期モデルを同工場で手がけるかは未定。

 すでに日産は欧州での商用バン販売で、ルノーからのOEMで2車種を品ぞろえしており、さらに9月に1車種を加える計画。ルノーからのOEMによる計3車種を主軸に据え欧州で商用バンのシェアを維持する。

 スペインのアビラ工場は小型トラック「NT400」の生産を年内に終了する計画。同工場は乗用車の補修部品の生産拠点に転換する方針を決めており、欧州での日産ブランドの小型トラック生産はゼロになる。今後、販売終了も視野に入れており、継続してもOEM車の展開になる方向。

 日産は米国事業が足を引っ張り業績不振に陥った。欧州事業も苦戦しており、19年3月期の販売は前期比14・9%減の64万3000台に落ち込んだ。業績建て直しに向け、2―3年かけてグローバルで事業・投資効率の適正化に取り組む方針。

 日産とルノーは商用車事業をめぐる提携で、日産がピックアップトラック事業、ルノーがバン事業を担う形で役割分担し効率化を図る戦略を進めてきた。業績回復が急務となる中、日産は同戦略を加速する。

日刊工業新聞2019年7月24日

  

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