車向け需要半減、工作機械の年間受注予想「9月に下方修正」へ

日工会会長「顧客が疑心暗鬼になっている」

 日本工作機械工業会(日工会)が23日発表した6月の工作機械受注実績(確報)は、前年同月比37・9%減の989億2800万円となり、32カ月ぶりに好不調の判断基準である1000億円を割り込んだ。最大顧客の自動車向けは、内外需どちらも半減した。飯村幸生会長は「状況が急激に反転するとは思っていない」と減速局面が長期化する懸念を示すとともに、年初に1兆6000億円とした今年の受注予想を「9月に下方修正する」と撤回を明言した。

 工作機械市況は2018年3月に中国が、同年10月には全体額が減少に転じた。米中貿易摩擦を背景に先行きの不透明感が増し、設備投資を見合わせる動きが目立ってきた。それでも、16年10月から1000億円の水準を維持する底堅さもあった。

 それも、6月に息切れ。内需が29カ月ぶりに400億円を割り込み、外需は31カ月ぶりに650億円割れで「(ボリューム感が)一段下がった」(飯村会長)と、底割れとも言える状況だ。車は内需が同50・2%減、外需が同53・7%減といずれも半滅。車業界が設備計画を縮小する動きが見て取れる。さらに中国は32カ月ぶりに120億円割れで、前月までの低位横ばいから下振れた感が強い。

 米中摩擦、米・イラン問題、英国の欧州連合(EU)離脱問題など地政学リスクが高まっている。米国は6月末に対中の追加制裁第4弾の見送りを公表したが、「(トランプ米大統領の)ツイッター一つで状況が一変する」(工作機械メーカー首脳)ために「顧客が疑心暗鬼になっている」(飯村会長)状況だ。仮に地政学リスクが一つ解消に向かったからといって、安心して投資判断できる環境とは言い難い。

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日刊工業新聞2019年7月24日

  

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