日刊工業新聞R&D調査、研究開発費トップ10の傾向と解説
日刊工業新聞社が実施した研究開発(R&D)アンケート(有効回答245社)によると、2019年度の計画を回答した189社の研究開発費合計は、18年度実績比5・5%増となり、10年連続の増加となった。研究開発への高い投資意欲は継続している。また研究開発部門で人工知能(AI)を活用していると回答した企業は225社中50・2%の113社。「活用を検討・計画している」の約40%を含めると、9割がAIの導入に積極的な姿勢を示した。
研究開発費の企業別順位では、トヨタ自動車が18年度実績比4・9%増の1兆1000億円と18年連続の首位。「従来の開発領域を低減しつつも、特にCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に投資し、豊かなモビリティー社会の実現に向けて加速するため今期の計画は増加している」(トヨタ)と強調する。
2位はホンダ、3位は日産自動車、4位はデンソーと自動車・部品メーカーが上位を占めた。「将来の事業拡大に向けた投資が増えたため」(ホンダ)、「CASEなどの先進技術への投資」(日産)、「研究開発領域の拡大や開発規模・量の増加、技術競争力の向上」(デンソー)など、開発投資への高い意欲をうかがわせる。
5位はソニー、7位はパナソニックと電機勢がランクイン。6位に18年度比33・3%増の武田薬品工業、10位に第一三共と大塚ホールディングス(HD)の製薬3社が食い込んだ。
研究開発費トップ10の中で19年度計画の研究開発費が18年度実績より減少を見込むのは、7位のパナソニック(前年度比1・8%減)と9位のキヤノン(同1・0%減)の2社。ただキヤノンは「より効率的な支払いを心がけたことで、開発費用を削減する余力が出た」としており、パナソニックも18年度の研究開発費4888億円に対して19年度計画は4800億円と同水準。売上高比率も6・1%と変えておらず、両社ともマイナス要因による減少ではない。
研究現場でのAIの活用について、AIに強い人材を確保する手段について「社内で人材育成」と回答した企業が6割以上に上り、不足するAI人材の確保に向けた企業の努力がうかがえる。
また企業の研究開発人員の採用を回答企業の4割強が今後数年間で「増やす」と答える一方で「採用が難しくなっている」と回答する企業が6割弱を占めた。
アンケートは1988年度から実施し、今回は32回目。6月中旬から7月上旬にかけて調査した。
研究開発費の企業別順位では、トヨタ自動車が18年度実績比4・9%増の1兆1000億円と18年連続の首位。「従来の開発領域を低減しつつも、特にCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に投資し、豊かなモビリティー社会の実現に向けて加速するため今期の計画は増加している」(トヨタ)と強調する。
2位はホンダ、3位は日産自動車、4位はデンソーと自動車・部品メーカーが上位を占めた。「将来の事業拡大に向けた投資が増えたため」(ホンダ)、「CASEなどの先進技術への投資」(日産)、「研究開発領域の拡大や開発規模・量の増加、技術競争力の向上」(デンソー)など、開発投資への高い意欲をうかがわせる。
5位はソニー、7位はパナソニックと電機勢がランクイン。6位に18年度比33・3%増の武田薬品工業、10位に第一三共と大塚ホールディングス(HD)の製薬3社が食い込んだ。
研究開発費トップ10の中で19年度計画の研究開発費が18年度実績より減少を見込むのは、7位のパナソニック(前年度比1・8%減)と9位のキヤノン(同1・0%減)の2社。ただキヤノンは「より効率的な支払いを心がけたことで、開発費用を削減する余力が出た」としており、パナソニックも18年度の研究開発費4888億円に対して19年度計画は4800億円と同水準。売上高比率も6・1%と変えておらず、両社ともマイナス要因による減少ではない。
研究現場でのAIの活用について、AIに強い人材を確保する手段について「社内で人材育成」と回答した企業が6割以上に上り、不足するAI人材の確保に向けた企業の努力がうかがえる。
また企業の研究開発人員の採用を回答企業の4割強が今後数年間で「増やす」と答える一方で「採用が難しくなっている」と回答する企業が6割弱を占めた。
アンケートは1988年度から実施し、今回は32回目。6月中旬から7月上旬にかけて調査した。
日刊工業新聞2019年7月23日