日本の航空機サプライヤーが大注目する島根の材料試験所

キグチテクニクスが米P&Wから認定、納期短縮に貢献

クリープ試験機が立ち並ぶキグチテクニクスの施設
 金属・複合材料試験などを手がけるキグチテクニクス(島根県安来市、木口重樹社長)は、ジェットエンジン大手の米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)から材料試験所の認定を取得した。企業の付属施設ではない独立系試験所では日本初の取得となる。P&W向けの材料試験はこれまで海外に依頼する必要があったが、国内でも可能になる。日本の航空機サプライヤーの納期短縮や、航空機産業全体の活性化にも貢献する見通しだ。

 認定を取得したのは常温と高温の引っ張り試験、高温で一定の負荷をかけて破断するまでの挙動を見るクリープラプチャー試験など六つの試験項目。

 このうち、金属組織評価は、顕微鏡写真などを人が見て評価・判断するため、P&Wと定期的にすり合わせる。また、半年に1度の監査があり、記録を改変できないような手順が定められるなど、認定の維持には厳しい管理が求められる。

 P&Wのエンジンでは、欧エアバスの「A320ネオ」に搭載される「PW1100G―JM」の増産が見込まれている。開発にはIHIや川崎重工業など日本勢が参画しており、多くの工程を手がけている。品質確保に向けて、材料試験へのニーズも高まっているという。

 キグチテクニクスはこうした材料試験所の認定を、すでに米ゼネラル・エレクトリック(GE)、英ロールス・ロイス、独MTUエアロ・エンジンズから取得済み。仏サフランからも試験片の加工で認定を持っている。旧共産国を除き、世界の有力なジェットエンジンメーカーの認定を軒並み取得したことになる。

日刊工業新聞2019年7月9日

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