三菱重工、航空機のエンジン事業は上昇気流!

子会社がロールス・ロイス向けタービンブレード増産

タービンブレードなどの製造拠点(小牧市)
 三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)は、英ロールス・ロイス製エンジン「トレント」シリーズ向け低圧タービンブレードなどを増産する。新たに増設した面積1700平方メートルの建屋に設備を順次導入。ブレード生産能力を現状比70%弱引き上げる。総投資額は十数億円。旺盛な民間航空機の需要拡大に伴い、エンジン事業の売上高で2020年代半ばに17年度比2・5倍の2000億円を目指す。

 増産するのは米ボーイング「787」や欧エアバス「350XWB」、同「330neo」に搭載されるロールス・ロイスのエンジン向けブレードや、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製エンジン「PW1100G―JM」向けの燃焼器ケースなど。

 トレントシリーズ向けブレード生産は、三菱重工航空エンジンによる内製に加えIHIや放電精密加工研究所、海外企業に製造委託しており、合計の供給量は2年後にも年間70万枚(18年度見通し約60万枚)規模に増える公算が大きい。

 三菱重工航空エンジンは今回、内製分の生産能力引き上げに向け工場を拡張。ブレード加工ラインにロボット4台を導入し、ブレード生産能力を現状の年14万4000枚から24万枚とする。燃焼機ケースの生産能力は現状年280個から同400個に高める。いずれも19年内にもフル生産になる見通しだ。

 ブレード工場では無線識別(RFID)などを活用し、製造データを取得している。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)によりデータを解析し、不適合品の発生を防いでいるほか、加速度センサーに装置の異常振動検知などを採用する予定だ。

日刊工業新聞2018年10月26日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

 三菱重工は国産小型ジェット旅客機「MRJ」の開発子会社の三菱航空機に2200億円の支援を実施する方向で調整している。三菱航空機の債務超過を解消するためで、三菱航空機が発行する株式を三菱重工が引き受ける債務株式化で1700億円を支援し、残り500億円は三菱重工が債権を放棄する。三菱航空機はMRJの量産初号機の納期を5回延期し、2期連続の債務超過に陥っている。三菱重工は三菱航空機の債務超過を19年3月期中に解消する方針を示し、具体的な手法を検討していた。  また三菱航空機はMRJの開発をめぐり、カナダの航空機大手ボンバルディアから提訴された。ボンバルディアは同社の小型機「Cシリーズ」開発に携わった元社員を三菱航空機が採用し、米国とカナダの型式証明(TC)に関する情報を不正入手したと主張している。三菱航空機は2020年半ばのMRJ量産初号機納入に向け、TC取得を目指している。訴えに対して「内容を確認中だが、先方の主張には根拠がなく、しかるべき場でそれを証明したい」としている。

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