韓国への輸出規制、12日の「日韓会合」のポイントは?

事実関係の確認で終わりそう?

日本は規制の意図や経緯を説明の見通し


 日本政府による対韓輸出規制強化をめぐり、日韓両政府は12日午後に都内で事務レベルの会合を開く見通しになった。韓国政府の要請を受け、日本政府が輸出規制発動の意図や経緯を説明するとみられる。韓国側は規制強化の撤回を強く求める意向だが、日本側は撤回に応じない構え。会合はあくまで事実関係の確認で日韓双方の溝は埋まることなく終わる公算が大きい。対立の長期化は必至だ。

 日韓両政府が4日の対韓輸出規制強化措置の発動後、事務会合を開くのは初めて。韓国は会合で事実関係を確認し、日本に輸出規制強化の撤回を求める。韓国の文在寅大統領は10日、企業幹部との懇談で「日本の不当な輸出制限措置の撤回と対応策の準備に非常な覚悟で臨んでいる」と日本を批判し、あらためて撤回を要求した。

 一方、日本は会合で半導体材料など軍事転用が可能な品目の貿易管理を徹底するよう韓国側にあらためて要請する。韓国側が求める輸出規制強化の撤回に向けた2国間協議は受け入れない。世耕弘成経済産業相は「今回の措置は輸出管理を適切に実施する上で必要な日本国内の運用の見直しで、協議の対象ではなく撤回は考えていない」としていた。

 経産省は4日、レジストなど半導体材料3品目について韓国向け輸出管理の強化措置を発動した。韓国側と輸出管理に関する十分な意思疎通が取れず、日韓の信頼関係が損なわれたためで「不適切な事案が判明したが韓国政府が長期間、協議に応じてこなかった」(政府高官)。8月には輸出規制に関する優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外するほか、規制品目を増やすことを検討している。

 韓国はこれに反発し日本による輸出規制強化措置が世界貿易機関(WTO)のルールに反すると主張し、WTOに提訴する意向を示す。これに対し日本側は「禁輸ではなく、WTOにおける安全保障上のルールに沿った措置」(経産省)とし韓国の主張を退ける考え。双方の主張は平行線をたどったままで、解決の糸口は見えていない。

韓国側は「局長級以上」を要請?


 一方、韓国の中央日報によると、韓国側は当初、局長級以上の協議を要請したものの、日本側が実務的な説明にとどまる「事務レベル」の対応にこだわったという。同紙は韓国の産業通商資源部関係者の言葉を引用し、日本の経産省側が「輸出規制措置に関連した両国の実務協議出席者レベルを課長級にすると主張したため、そのようにすることにした」と報じている。

日刊工業新聞2019年7月11日(政治・経済)に加筆

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。