対韓国輸出規制、経済界は一定理解…韓国は対抗策を準備

4日には文大統領とソフトバンク・孫氏が会談予定

日本の経済界は理解


 日本政府による韓国向け半導体材料の輸出規制について、経済界から理解を示す指摘が相次いでいる。経済同友会の桜田謙悟代表幹事は2日の会見で「今回の(日本)政府の措置はWTO(世界貿易機関)ルールに則ったもの」との認識を示した。また日本商工会議所の三村明夫会頭も1日に「日韓(関係)の膠着(こうちゃく)状態を解決するための一つの提案ではないか」とし、日本政府の判断に理解を示している。

 同友会の桜田代表幹事は、日本政府が4日から実施する韓国向け半導体材料の輸出管理強化について「日本側へのインパクトはそれほど大きくない」との認識を示した。その上で「韓国側には不可欠な部品」と述べ、「経済界は(韓国側も)早く関係が正常化してほしいと思っている」と語った。

 韓国政府は今回の輸出管理強化に対し、WTOへの提訴を視野に入れている。この点について菅義偉官房長官は2日の会見で「韓国との信頼関係に基づく輸出管理が困難になっていることに加え、韓国側で不適切な事案も発生している。(日本の措置に)自由貿易体制への逆行、WTO違反という指摘は当たらない」と強調した。

韓国は対抗策として半導体素材に毎年900億円投資


 韓国の聯合ニュースによると、韓国政府などが3日、国会で協議会を開き、半導体の素材、部品、設備の開発に毎年1兆ウォン(約920億円)水準の集中投資を行う方針を示したという。日本の輸出規制を契機に、半導体関連の素材などの国産化比率を引き上げる目的があるとみられる。さらに、7月中に半導体の素材、部品、設備の競争力強化策を別に発表する予定だという。
 ただ、これらは中長期的な方針のため、4日からの規制強化への対抗策を用意するのは実際には困難とみられる。韓国の中央日報によると、韓国の半導体関連の専門家は「日本の材料供給が今すぐ途絶えても韓国半導体は4カ月は耐えられる」と主張しているものの、それ以上長期化すれば日韓双方の企業が大きな被害を受けることになると警告している。 

文大統領は4日にソフトバンクの孫氏と会談


 一方、複数の韓国メディアによると、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と韓国の文在寅大統領が4日会談し、イノベーションや投資などについて意見交換する見込みだ。その際、文大統領が日韓関係について何らかの言及をするかどうか注目される。
 

日刊工業新聞2019年7月3日(政治・経済)に加筆

小川 淳

小川 淳
07月04日
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国際的なサプライチェーンに組み込まれているため、日韓双方の企業とも、大きな混乱に発展するのは避けたいところ。両政府の対話のチャンネルが機能していないのが残念です。

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