ロボットが日本食を世界に広める?まずは朝食から

インタビュー コネクテッドロボティクス社長・沢登哲也氏

 コネクテッドロボティクス(東京都小金井市)は、ソニーや三井不動産など5社を引受先とする第三者割当増資を実施し総額約8億5000万円の資金を調達した。販路拡大やロボット開発に充てる。たこ焼きロボやソフトクリームロボなど調理ロボメーカーの同社が、人材獲得や製品開発などをどう進めるか。沢登哲也社長に聞いた。(編集委員・嶋田歩)

―資金調達を完了しました。

「大変ありがたく思う。ソニー、三井不動産ともオープンな会社で、資金調達後も他社の製品を使ってかまわないと言われた。当社は調理ロボの開発を手がけているが、ロボットのメーカーは特に選ばず最適の機種を使えるようにしている。ロボメーカーとしては異色かもしれない」

―さまざまな調理ロボを開発しています。

「特に朝食ロボの将来性には期待している。最初はホテルなどが客先だが、ゆくゆくは個人の家庭に入るのが理想だ。ロボットは言うならば情報家電。キッチンのハブとして、生活者の好みの食材から冷蔵庫の在庫、日々の購入品目、数量データなどを把握できる。それをベースに新たな事業を画策できる」

―コンビニやスーパーでも調理ロボを開発する動きがあります。

「彼らは日々の買い物を通じて客に近い場所にいるのが強みだ。我々はそうしたところと組んで、展開速度を速めたいと思っている。調理ロボの分野では、当社が現時点ではリーダーだ。これから世界でいろんな調理ロボが出てくるだろう。それらとの競争になる前に、早め早めの商品開発で先手を打ちたい」

―人材、特に人工知能(AI)人材確保はどう進めますか。

「AI人材確保はグローバルで進める必要がある。世界全体のAI人材の中で優秀な人材数は限られており、そこの獲得競争が一段落すれば頭打ちになるのは目に見えている」

―注目エリアは米国、中国、インドあたりでしょうか。

「当社はダイバーシティー(多様性)を志向している。特定の国の人材が集中するとリスクになる。発想や思考法が固定してしまう恐れもある。まんべんなく採用したい。AI人材の中で、ロボットをやりたい人は一定数いる。加えて日本は世界的にロボット先進国のイメージがある。日本企業である強みを生かしたい」

―事業の将来像は。

「2025年時点では売上高、従業員数ともそれぞれ半分を海外、外国人にしたい。ただ外国比率を5割以上に増やすことは考えていない。調理ロボメーカーである当社の目標は、ロボットを通じて日本食を世界に広めることだ。日本食は健康性や食材の品質以外にも盛り付けの美しさや季節性、おもてなしの心など多くの要素がある。ロボットでそれらを何とか実現したい」

日刊工業新聞2019年7月10日

  

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