麻布大が「学部→修士」の完了を5年に短縮する理由

動物応用科学科で選抜、学費抑え実践的なスキルを意識

 麻布大学は、獣医学部動物応用科学科の学生を対象に、学部教育から修士までを5年で完了する新しい教育プログラムを開始する。早期から研究に集中して取り組むことで、より実践的なスキルを身につけることができる。通常の修士までのカリキュラムよりも修了までの在籍期間が1年短いため、学費を抑えられるメリットもある。2019年度に入学した1年生が対象で、選抜後、11月からプログラムを始める。

 動物応用科学科は一学年130人の学生が在籍しており、通常のカリキュラムでは学部生3年から各研究室に配属される。さらに2年間の修士課程に進学した場合、学部から通して卒業まで合計6年間となる。

 新たな教育プログラムでは、1年次の成績と教員との面接により、研究への意欲が高く優秀な学生を選抜する。対象の学生は10人程度を想定しており、新教育プログラムに参加すると通常授業のカリキュラムを行いつつ、2年次から研究に取り組む。

 1年間前倒して研究を始めることができるため、修士までの教育を5年間で完了する仕組みだ。対象の学生は、既存の研究テーマではなく新たに設定される研究プロジェクトに取り組む。

 研究プロジェクトは社会課題の解決や就職を見据えたテーマに焦点を当てて設定される。例えば、害獣駆除で発生した動物の肉を飼料などに加工し、付加価値を与えて利益を生むための研究や、オスとメスの音声の役割を解明することで、絶滅危惧種の繁殖に応用するなどの研究を計画している。こうした出口指向型の研究に早期から集中して取り組むことで、実践的なスキルが身につき、就職に役立つ。

 指導には関連する複数の研究室の教員が携わる。菊水健史教授は、「一つの研究室で学ぶのではなく、複数の研究室が連携し、全学的に取り組む。動物応用科学科のテーマである動物との共生の実現を目指していく」と話した。
              

日刊工業新聞2019年7月5日

  

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