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外科手術の次世代型シミュレーターは全内臓がリンク

ブラジル連邦大が挑戦、患者一人ひとりのデータ作成目指す
外科手術の次世代型シミュレーターは全内臓がリンク

内臓の外科シミュレーション画面

 ブラジルのリオ・グランデ・ド・スル連邦大学の教授で米国電気電子学会(IEEE)メンバーのアンダーソン・マシエル氏は、次世代型の外科シミュレーション装置の開発を急いでいる。

 米インテュイティブサージカルの「ダヴィンチ」に代表される手術ロボットや、内視鏡を使った手術の訓練、手術前のプランニングでは、内臓のデータを使ったモデル作りが必須だ。現状のモデルは改善点が多く、硬さや全ての血管を取り込んだモデルを作れるよう研究開発を進める。

 現状のシミュレーションでは、計算技術の限界から対象となる一つの内臓だけが詳細なモデルが多い。マシエル教授は、数学モデルの工夫で全ての内臓がリンクしたモデルの構築を目指す。

 例えば、ある臓器にメスを入れた際に、他の臓器がどう影響を受けるかが分かれば安全性が高まる。反応はリアルタイムであれば精度が高まる。さらに、硬さの違いや、細かい血管の位置が反映することも高度化につながる。そのため、課題となる膨大なデータを円滑に利用できる仕組みが必要となる。

 将来は、患者一人ひとりのデータが作れるよう、技術を確立したいという。人工知能(AI)の利用によるデータ作成の迅速化や、データを使ったロボ手術の自動化も視野に入れている。

日刊工業新聞2019年6月16日(科学技術・大学)

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