国際海底探査レースで準優勝、日本チームが強さの秘密を解説

培った技術、新しい海洋ビジネスに貢献

 海洋研究開発機構や東京大学など国内8機関で構成される海底探査チーム「Team KUROSHIO(チームクロシオ)」は、国際的な海底探査競技「シェル・オーシャン・ディスカバリー・エクスプライズ」で準優勝したことを受け、会見を開いた。チームクロシオの共同代表である中谷武志海洋機構技術研究員は「優勝には届かなかったが、競合である欧米がひしめく中、準優勝できてうれしい。8機関の強みや技術力、チーム力を結集したことで技術審査や競技で結果を残せた」と喜びを語った。

 海底探査競技は米エクスプライズ財団が主催し、決勝戦を2018年11―12月にギリシャのカラマタ沖の海域で実施した。チームクロシオは同年12月に競技に出場。6月1日に同財団が結果を発表し、チームクロシオは準優勝に輝いた。賞金は100万ドル(1億800万円)。

 チームクロシオは水深4000メートルの潜行に対応できる2機の自律型海中ロボット(AUV)を開発。競技前にAUVの一つが故障したため、実際の海底探査では海洋機構のAUV「AUV―NEXT」のみを使った。5キロ×33・5キロメートルの範囲を23時間調査し、2日後に事務局に海底地形図と音響画像データを提出。他の4チームと海底地図の範囲の広さや正確さなどを競った。

 今回の競技レースで培った技術は新しいビジネスにつながる可能性がある。中谷技術研究員は「今はパソコン画面上をクリックすることで簡単にモノが買える。同じように研究者や企業などの顧客に対し、AUVを利用して特定地域の海底地図や海水温などのデータを即日提供できる仕組み『ワンクリック・オーシャン』を実現したい」と将来構想を語った。今回確立した調査技術を発展させ事業化を目指す。
中央でトロフィーを持っているのが、チームクロシオの中谷共同代表

日刊工業新聞2019年6月6日(科学技術)

  

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