ソニーがイメージセンサーに1200億円投資、世界首位固めへ長崎に新棟

スマホセンサー大判化が追い風に、シェア6割へ

 ソニーは長崎県諫早市の既存工場内にスマートフォン(スマホ)のカメラなどに使う相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーの新製造棟を建設する方針を固めた。最大で1200億円を投じ、2021年内にも稼働を始める。世界のスマホ市場は減速しているものの、スマホ1台当たりのカメラ搭載数の増加やセンサーの大判化は今後も続くと判断した。IoT(モノのインターネット)の普及を後押しする基幹デバイスの増産体制を整える。

 ソニーは半導体関係会社の長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)にCMOSイメージセンサーの製造棟を新設する方向だ。早ければ19年末に着工して、21年前半からの本格稼働を見込む。ただ、米中貿易摩擦により需要の先行きが不透明なため、増産計画を見直す可能性もある。

 新棟の生産能力は当初、月産数万枚(300ミリメートルウエハー換算)になるとみられるが、詳細は今後詰める。主なイメージセンサー生産拠点は長崎に加えて、熊本県、山形県、大分県の国内4カ所。現状の生産能力は合計で同約10万枚。

 スマホは高級・中級機種を中心に3、4個の背面カメラ搭載が主流になり、センサーの大判化で必要なウエハー枚数も増加傾向にある。韓国・米国勢に比べて技術優位のソニーはスマホ販売台数が頭打ちでも、引き続きイメージセンサー事業は拡大できると見通す。自動運転向けに需要の拡大する車載カメラ用途も追い風となる。

           


 ソニーは18年10月に、20年度までの3年間に約6000億円をかけてイメージセンサーの生産能力を同13万枚まで増強する計画を発表していた。当初は既存建屋内に製造設備を導入して増産体制を整える予定だった。長崎の新棟建設は従来の投資計画に含まれていなかった。イメージセンサーで世界トップシェアの約50%(金額ベース)という地位をより盤石にし、25年度に60%のシェアを目指す。

日刊工業新聞6月4日(エレクトロニクス)

  

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