アサヒが新設した研究子会社の役割と強み

新たな成長の柱となる事業の立ち上げへ

 アサヒグループホールディングス(GHD)は中長期での研究戦略の立案や新たな成長の柱となる事業の立ち上げを目指し、研究開発体制を強化した。GHD内にあった基礎研究部門を研究子会社「アサヒクオリティーアンドイノベーションズ」(AQI、茨城県守谷市、佐見学社長)として設立。意思決定を迅速化するとともに、事業性を明確にした研究シーズの確立を進める。グループ内で活用しない開発技術の外販も検討する。

 AQIは研究開発機能を持つ初めての子会社で、アサヒビール、アサヒ飲料などGHD傘下の各事業会社と並列に配置。GHDの基礎研究部門の約150人が移った。佐見社長は「グループの素材メーカーとして、新規事業のインキュベーションの役割を果たしたい」と方針を示した。

 酵母や乳酸菌の素材をベースにした基礎研究の強みを持つ。すでにビール酵母の細胞壁を活用した農業用資材を開発した成果のように、素材の細分化を進めて、新たな機能性素材の開発を急ぐ。

 オープンイノベーションによるベンチャーとの連携も強化する。コーヒー粕を有償化するような技術や、人工知能(AI)、家庭で醸造可能な技術などを持つ企業と新たな視野でビジネスシーズを模索する。

 また、グループ内で休眠状態の技術については再活用の道を検討する。「例えば血液粘度計は医療ではユニークな技術だが、グループ企業で活用ができない。外部への転用で可能性が開ける」(佐見社長)という。他にも休眠技術があり、外販や協業の方策を検討する。

 AQIはグループ各事業会社の研究開発部門が集積するアサヒグループ研究開発センター(同守谷市)の全体運営も担っている。

日刊工業新聞2019年6月4日

  

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