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生保大手“アジア最後の未開拓市場”で顧客争奪戦

第一生命は事業仮認可、日生・太陽は合弁設立へ
生保大手“アジア最後の未開拓市場”で顧客争奪戦

ミャンマーは中長期で高い経済成長が見込まれている(イメージ)

 “アジア最後の未開拓市場”であるミャンマーをめぐり、生命保険各社の競争が熱を帯びてきた。第一生命保険は同国での生保事業の仮認可を取得。日本生命保険、太陽生命保険の両社も合弁会社設立に向け動きだした。ミャンマーの保険市場は、加入率の低さなどを背景に10億円程度で依然成長途上だが、10年後には数千億円まで発展する可能性もあるという。各社いずれも主導権を握るため、独自の戦略を進めている。(文=増重直樹)

 ミャンマーは2019年1月に外資企業の保険事業参入が認められ、中長期的に経済発展が見込まれる有望市場。人口は5000万人を超え、1人当たりの国内総生産(GDP)は5―7%程度の高い推移が予想されている。

 第一生命は4月に生保事業の仮認可を取得、100%出資子会社を設立し早期の事業開始を目指す。ヤンゴンに準備会社を設立して作業を進めている。同社はベトナムなどで展開する海外保険事業のノウハウを活用。成功事例を踏まえ、貯蓄性のある養老保険などを展開する。「第一生命の100年の歴史が試されるシンボリックなこと」とし、世界的な保険会社との競争に挑戦する構えだ。

 日本生命は現地で有力な財閥グループと合弁会社を設立して事業展開する計画。財閥の知名度やブランド力、人員を生かすと同時に、取締役や駐在員を派遣して戦略策定や商品開発を進める。銀行との提携といった専属の代理店チャンネルなどを確立し、営業基盤を強化する。

 同社はインドやタイなどアジアで海外生保事業の実績がある。「ヨーイドンで始まる市場。海外事業の真価が問われる」(丹羽晶彦海外保険事業部担当課長)と、蓄積した知見などを総動員して市場開拓に臨む構えだ。

 同じく現地企業との合弁をさらに進めるのが太陽生命だ。12年に外国生命保険会社として初の駐在員事務所を開設。17年に現地のシステム会社と保険関連のシステム開発する合弁会社を設立などし早くから同国での取り組みを進めてきた。提携候補先は中堅に位置する企業で、営業職員チャンネルがある。

 ミャンマーは生保だけでなく損害保険各社も注目している。成長市場をめぐり、シェア争いが激化しそうだ。
日刊工業新聞2019年5月21日

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