東電が社内向けの配電設備保守ノウハウを外部へ提供、その背景は?

 東京電力パワーグリッド(PG)は配電設備の保守・診断技術や試験装置などを顧客の工場やビルに活用する提案活動を本格的に始めた。社内向けのノウハウを外部に公開し、技術の導入支援、試験装置の貸し出し、試験受託などにつなげる。国内の電力需要が人口減少、省エネルギーの進展で中長期的に減るとみられる中、新たな収益源を開拓する。

 工場やビル、住宅に電気を送るための配電線や変圧器などの保守・診断技術を顧客企業で活用するよう提案する。

 配電設備の技術を研究し、試験装置をそろえる配電エンジニアリングセンター(東京都江東区)に顧客企業の技術者を招く活動を始めた。

 東電PGはニッカリ(岡山市東区)、関電工と共同で、地下電気室内の高所にある変圧器を階段で搬出入しやすくするレール式運搬工具を開発した。交換時間を従来の8分の1に短縮できるため、東京電力ホールディングスの2018年度のカイゼン・社長賞を受けた。自社の交換作業に活用するほか、顧客企業に他用途での活用を提案する。

 試験装置を実演し、貸し出しや試験受託を目指すほか、見学者に保守・診断技術を裏付けることを狙う。落雷が電線に与える影響を試験する装置や、強風を電線にかけ続けて影響を試験する装置などを紹介する。

 東電PGのエリア内では、26年度の電力需要が16年度実績比約1%減少するとみられている。託送料金収入の減少を、収益源の多様化で補う。

日刊工業新聞2019年5月24日

  

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