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パナソニックの医療機関用ロボ、商業施設や駅を案内へ

「ホスピー」を転用
パナソニックの医療機関用ロボ、商業施設や駅を案内へ

胴体部分に液晶ディスプレーを搭載し、動くデジタルサイネージとして働く

 パナソニックは医療機関用の自律搬送ロボット「ホスピー」を転用し、商業施設や駅、空港などで使う案内ロボットを夏にも製品化する。人や障害物と衝突を回避するといった従来機能を生かしつつ、胴体部分に液晶ディスプレーを搭載した。自律移動するロボットに人々は注目を集めやすく、壁に設置したデジタルサイネージ(電子看板)よりも、見てもらえる確率が約7倍高まるという。

 価格は未定だが、ホスピー1台と、自動で充電場所に戻るといった制御システムの調整を含め、およそ1000万円の初期導入費用を想定する。2018年に成田空港で行った実証試験では、ホスピーの前と左右の3面に搭載したディスプレーを使い、飲料などの持ち込み制限などの告知をした。

 商業施設やテーマパーク、競技場では、ホスピーを使うことで施設案内のほか、期間限定のイベントや商品広告など来場者に注目してほしい情報を発信できる。

 今後、画像認識技術で性別や年齢層といった属性を特定し、属性にマッチした店舗案内などができる仕組みも提供する意向だ。

 ホスピーは施設の地図情報を基に、経路を自ら判断し、障害物や人を回避しながら移動する。エレベーターと制御システムで連動させれば、自動で乗降する。これまで病院などで薬品や検体、カルテの運搬の自動化に使われてきた。こうした機能を生かし、用途を病院など医療機関以外にも広げる。
日刊工業新聞2019年5月22日

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