京大と海洋機構の研究者、水産業の現場を救う

オーシャンアイズ、海域の塩分濃度を高精度予測する新システム提供

  • 1
  • 0
写真はイメージ
 京都大学と海洋研究開発機構の研究者が共同設立した海洋ベンチャーのオーシャンアイズ(京都市左京区、田中裕介社長)は、日本周辺海域の海水温や塩分濃度を高精度で予測するシステムの提供を始めたと発表した。養殖の現場で起きる、急激な海水温変化や赤潮による被害を防げる。さらに10月には最適な漁場探索を支援するサービスを始める。画像処理や海洋物理の先端技術を基にした「FishTech(フィッシュテック)」で持続可能な水産業の実現を目指す。

 海況予測システム「SEAoME(しおめ)」の提供を始めたと発表した。日本周辺海域を1・7キロメートルの水平解像度で、海水温や塩分濃度、流速などを5―14日先まで予測する。顧客はインターネット上の専用ページから情報を得られる。沿岸養殖や水産試験場などでの利用を想定する。東北沿岸と九州南西でのサービスを4月から開始した。

 同社の設立記者会見で田中裕介社長は「順次海域を拡大し、2020年以降に海外展開を目指す。さらに高解像度の画像情報を提供したい」と今後の展開を語った。

 さらに10月から始める漁場探索支援サービス「漁場ナビ」は海水温データと操業データを基に魚が捕れる場所を推定する。気象庁の気象衛星「ひまわり」の海水温表面温度データを人工知能(AI)技術の一つである「ディープラーニング(深層学習)」で補完。雲で隠れた海域であっても欠損することなく水平方向2キロメートルごとに1時間ごとの準リアルタイムで推定する。

 漁師の高齢化問題への対応や燃油費の削減などへの貢献が期待される。

日刊工業新聞2019年5月16日

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる