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島耕作が転職活動を始めた、圧巻の「職務経歴書」の中身

ビズリーチが10周年記念企画でコラボ
島耕作が転職活動を始めた、圧巻の「職務経歴書」の中身

あの即戦力人材が転職活動を始めた

 サラリーマンのサクセスストーリーを描いた弘兼憲史氏の人気マンガ「島耕作」シリーズの主人公、島耕作が転職活動を始めた。初芝電器産業株式会社やグループ会社でキャリアを重ねてきた「部長 島耕作」が、同期が独立や転職などを経て成功する姿を見てキャリアの可能性を広げようと新たな一歩を踏み出した。昭和・平成の環境の変化に対応しながらビジネスの最前線で実績を積み上げてきた即戦力人材が、令和時代に選ぶ活躍の場とは―。

 これは転職サイト運営のビズリーチが創業10周年を記念して立ち上げた企画だ。同社が「部長 島耕作」の転職を支援する。島耕作が作成した職務経歴書(下に掲載)を公開し、短文投稿サイト「ツイッター」でおススメの転職先を募集する。同社の酒井哲也執行役員に企画の狙いや島耕作の職務経歴のすごさなどを聞いた。

キャリアや働き方を考える仕掛けに


 ―創業10周年企画として「島耕作」に白羽の矢を立てた理由を教えて下さい。
 我々の転職プラットフォームは「即戦力人材」を対象にしており、社内では創業期から島耕作さんはその対象の人材像に近いというイメージを持っていました。時代の変化や働く環境の変化に適応する姿勢を持ち、成果を出し続けていますから。そこで10周年を契機に「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」という企業使命を一層推進する企画を展開したいと考える中で、ご協力いただければと考えました。シリーズの中で「部長 島耕作」に登場いただいたのは、我々のメーンターゲット層だからです。

 ―職務経歴書を公開し、ツイッターでおすすめの転職先を募る企画です。
 これまで島耕作さんの職務経歴書は一度も可視化されたことはありませんでした。それを実現し、ビズリーチのようなサービスを使ったらどのようなキャリアの選択肢が生まれるのか、一般の方々が発信し合う仕組みは面白いのではないかと考えました。我々のPRになることはもちろん、一般の方々がキャリアや働き方を考える仕掛けとしても有効だと思います。

 ―実際に島耕作さん自らが書いた(※)という職務経歴書をご覧になって感想はいかがですか。
 間違いなくたくさんのスカウトが入る人材でしょうね。どの部署でも成果を出していますし、その実績が明確です。例えば1983年(の係長時代)に企画した展示即売会は集客数が前年の200%超えを達成し、99年には出向先でワインの日本初独占契約を締結しています。逆に企業はどのようなオファーをすれば、自社に招き入れることができるか悩むのではないでしょうか。ツイッターで企画に参加する方にはどんな仕事をオファーすれば、興味を引くことができるか想像を膨らませてほしいです。

※職務経歴書を初めて書いた島耕作のコメント:「人生で初めて職務経歴書を書いたのでとても大変でした。意識したことはできる限り実績を端的にかつ明確に記載したことと、さまざまな業種・業界を経験したことを強みだと考え、どのような環境にでも適応できる人材であることを伝えられるように意識しました」
 ―酒井さんだったらどのようにオファーしますか。
 自己PR欄の記載などを拝見し、私は挑戦に対してモチベーションが上がる方と分析しました。そのため挑戦できる部署でのオファーを考えますね。一般に(島耕作さんのような)ハイクラスの即戦力人材にとって年収は一つの判断要素ですが、それだけでは決めません。仕事のやりがいやご自身の経験がどう貢献できるかが重要な判断要素になります。

 ―島耕作さんにとっては転職活動を行うとどんな可能性が開けるのでしょうか。
 島耕作さんには本人すら予期しない新しい道が開ける可能性があると伝えたいですね。人それぞれ「よい選択肢」に対する価値観は違います。同業で同じような経験を重ねることが楽しいと考える方もいますし、まったく異なる業界で自分の経験が通用するかを試すことを重視する方もいます。インターネットの転職プラットフォームが整ったことで、そうした多様な選択肢が可視化され、検討できます。結果的に転職しないという選択肢もあると思いますが、多様な選択肢があると理解した上でそれを選ぶのは、キャリアを考える上で大事なことではないでしょうか。

常に更新し続けることが大事


 ―即戦力人材の転職市場の現状はいかがですか。
 非常に活況で個人にとってはチャンスだと思います。時代の変化により企業も変化が求められ、それに伴って人材需要が高まっています。例えば自動車メーカーは機械の生産だけではなく通信・IT企業との連携を急いでおり、それによって社内には今までいなかった人材が必要になっています。その中で即戦力で事業を引っ張ってくれる人の需要は特に高くなっています。企業にとっては採用したい人を主体的に考え、積極的に取りに行かなくてはいけなくなっていると思います。

 ―企業がいつどうなるかわからない時代とも言えるかと思いますが、その時代に個人が考えるべきことは何でしょうか。
 自分がこうなりたいという判断軸を持つことが大事です。そのためには自分がやってきた仕事について(職務経歴書にまとめて)転職を検討する瞬間だけでなく、常に更新し続けることが重要だと思います。

 ―職務経歴書の書き方にポイントはありますか。
 島耕作さんの職務経歴書のようにそれぞれの仕事で何を実現したかを明確にし、その実現の背景にある経験や知識、技術を示すことは大事ですね。また、それぞれの仕事について達成したにせよ、できなかったにせよ、その理由を自覚できているかも重要です。
(聞き手・葭本隆太)

ビズリーチの酒井哲也執行役員

島耕作「職務経歴書」の全貌


               

            

                       

               
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葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
酒井執行役員によると、職務経歴書の長さ(枚数)は一般に3枚程度が適当で、4枚はギリギリとのこと。島耕作さんの職務経歴書はやや長めのものになっておりますが、それでも読ませてしまうほどの圧巻の実績が並んでいます。

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