国内の粗鋼生産、今年度2―3%増の見通しは本当?

鉄連会長「内需が堅調に推移」

 日本鉄鋼連盟の北野嘉久会長(JFEスチール社長)は23日の会見で、2019年度の国内粗鋼生産量が1億500万―1億600万トンになるとの見通しを示した。1億289万トンと、リーマン・ショック時以来の低水準になった18年度の粗鋼生産量に比べ、2―3%の増加となる。

 「土木向けや自動車向けを中心に、内需が堅調に推移する」と見込まれる中で、この間、鉄鋼各社の生産量を下押ししていた操業トラブルの影響が解消され、増産に転じると予想した。

 鉄鋼需要の下ぶれ要因になる中国経済の減速については「中国政府による景気刺激策の効果で、足元の経済指標に回復の兆しが若干見られる」ものの「引き続き注視する必要がある」との認識を示した。

 また米国を中心に各国・地域へ広がる保護貿易主義や貿易摩擦が「世界経済に非常に大きな影響を与えている」と指摘。日本の鉄鋼製品に対して米国が課している高率の関税についても「自由貿易を標ぼうする立場として、早期の撤廃を期待する」と述べた。

日刊工業新聞2019年4月24日



4ー6月は微増


 経済産業省は9日、4―6月期の国内粗鋼生産量が、前年同期比0・02%増の2657万トンになる見通しだと発表した。大手鉄鋼各社で相次いだ生産トラブルが解消し、堅調な内需を追い風に、わずかながらも4四半期ぶりに前年を上回ると予想した。ただ同四半期の鋼材需要の見通しでは、世界経済の先行き不透明感などを踏まえて、輸出が前年を下回るとの予想を示した。

 集計途中の1―3月期の粗鋼生産量は、同6・1%減の2480万トンだったと推計。この結果、2018年度の年間粗鋼生産量は1億271万6000トンと前年度比2・0%減り、2年連続で前年を下回ったとした。操業トラブルや自然災害が大きな下押し要因となった。四半期ベースの粗鋼生産量2480万トンは、09年7―9月期に2424万トンとなって以来の低水準だ。

 4―6月期の鋼材需要は、前年同期比0・1%増の2293万トンになると見通した。内訳は内需が同0・3%増の1576万トン、輸出が同0・3%減の718万トン。内需は災害復旧工事などの大型公共投資や、10月の消費税率引き上げを前にした住宅・自動車の駆け込み需要の盛り上がりを織り込んだ。

 一方の外需は世界経済の下ぶれ懸念が強まっていることや、油価低迷を受けた石油・ガス開発関連需要の落ち込みを想定した。
                 

日刊工業新聞2019年4月10日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。