介護の世界を前向きに!現場に寄り添い製品「リデザイン」

日用品各社、介護市場に参入

 日用品メーカーが介護市場に参入している。ライオンは介護施設向けに洗濯洗剤などを展開。アース製薬は排せつ臭対策製品などを拡充する。少子高齢化が進む中、介護人材の確保や作業の効率化が求められており、介護者、被介護者双方に寄り添った製品を提供することで需要に応えている。(門脇花梨)

 「介護の世界を前向きなモノにリデザインしていく」。ライオン特販事業本部特販事業部の鈴木千寿副主席部員は意気込む。展開する「ラクタスケア」は、介護施設などに向けた介護用品ライン。洗濯洗剤など4製品を用意している。今後も順次ラインアップを増やす予定だ。

 同社では介護現場に足を運び、徹底的にニーズを拾い上げる。現場の声を聞くのはもちろん、介護者の行動も観察させてもらうという。鈴木部員は「カギになるのは“におい”。介護力のバロメーターにもされやすい」と苦笑する。

 介護現場で問題となる主なにおいは尿臭。ラクタスケアはこの消臭にこだわった。例えば洗濯洗剤は弱酸性で洗える設計にした。尿臭の原因が便器にこびりつく黒ずみと同じであるとつきとめ、酸で溶かすよう改良した。

 鈴木部員は「洗濯は本来介護職員の仕事ではない。洗い直しがない洗剤を作れば時間が生まれる。介護職員は学んだ専門知識を全力で発揮できる」と笑顔をみせる。

 直近では入浴介助者の手のうるおいを奪わないボディーソープを発売した。現場と連携した製品開発は続く。

 アース製薬でもカギにしているのは“におい”。介護用品ライン「ヘルパータスケ」を立ち上げ、9製品を用意している。同ラインは介護施設のみに向けたモノではない。通常のドラッグストアでも展開し、在宅介護の現場にも提案する。

 マーケティング総合企画本部ブランドマーケティング部の三好里奈係長は「今後、自宅での介護需要は高まるとみている。頑張る方を“タスケ”る“ヘルパー”になりたい」とほほえむ。

 同社の排せつ臭対策製品には、ふん尿のにおいと合わさることで快適なにおいに変わる「デオマジック」という成分を使った。シキボウが開発した成分で、においを吸着するなどの消臭技術以上に、汚物のにおいをなくすことが可能だという。

 またスプレータイプだけでなく、蚊取りにつかう「アースノーマット」の機器に詰め替えボトルを入れて成分を拡散させるタイプも用意した。三好係長は「被介護者になったからといって、使うブランドが変わるのはつらい。これまでと同じモノを使える環境を作りたかった」と明かす。
アース製薬の排泄ケア製品

 また口腔ケア製品も展開中だ。「モンダミン」シリーズは口によく含み、はき出すことで口内の衛生環境を保つ。口を開けてスプレーするだけの介護現場に特化したタイプも用意した。身近な介護用品として提案する。

 疲労やストレスなど暗いイメージがある介護の現場。両社ではこれを明るくすべく、パッケージデザインをオレンジにする、キャラクターを作るなど、技術以外も工夫した。

 世界的に高齢化が進んでおり、介護関連市場の伸びしろは大きい。自社の強みを生かした形の参入は今後も増えていきそうだ。

  

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