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漢方薬が作り出されるのはハイテク工場!ツムラがロボット導入

薬研でゴロゴロはもう古いイメージ。労働生産性25%向上
漢方薬が作り出されるのはハイテク工場!ツムラがロボット導入

従来の切裁工程。新製造棟ではロボット化する

ツムラは医療用漢方製剤のエキス粉末の製造工程にロボットを導入する。茨城工場(茨城県阿見町)の敷地内に建設中であるエキス粉末の新製造棟で2020年度中に多関節ロボなどを稼働し、作業効率の向上を図る。ベルトコンベヤーのような大型搬送設備が削減され、製造棟の建設費が抑えられる効果も見込む。茨城工場のエキス粉末の製造工程において、新棟での労働生産性を、15年度時点の既存製造棟に比べて約25%向上させる考え。

茨城工場の新棟には多関節ロボ10台、小型搬送ロボ15台を導入する。投資額は明らかでないものの、ツムラは20年3月までに茨城工場での生産能力増強に167億円を投じる計画を掲げており、この中にロボットの配備費用も含めている。ツムラがエキス粉末製造工程の主要な部分にロボットを導入するのは初めて。国内すべての漢方薬メーカーでも初の事例とみられる。

エキス粉末の製造工程では、原料生薬を切裁し、秤量(ひょうりょう)や調合を実施。その後、抽出や濃縮、乾燥といった作業が行われて粉末になる。従来、切裁においては人の手で袋から生薬を取り出し、切裁機に供給していた。茨城工場の新棟では、この部分をロボット化する。これに伴ってコンベヤー設備が削減され、製造室も小さくできるため、新棟建設費用を抑えられる。

漢方薬は西洋薬での治療が難しい症例で有効な場合があり、効能に関する科学的根拠の解明も進みつつあることなどから、需要拡大が見込まれている。一方でツムラは人手不足や工場作業員の高齢化を懸念しており、ロボットの活用でこうした問題に対処しつつ生産性を向上する。人の手が介在する工程を減らすことで衛生面のリスクも減るとみている。
日刊工業新聞2019年4月22日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
「薬研」は何と読むでしょう。

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