「腰痛」再生医療で治験、椎間板に細胞移植

東海大、22年頃の条件付き承認の取得を目指す

 東海大学医学部の酒井大輔准教授らは18日、腰椎椎間板変性症を原因とする腰痛症の患者を対象とした再生医療の治験を開始すると発表した。椎間板のもととなる細胞「椎間板随核前駆細胞」300万個、または900万個を患者に移植し、安全性や痛みがどれくらい和らいだかなどの有効性を評価する。治験は米ディスクジェニックスと共同で進め、2022年頃の条件付き承認の取得を目指す。

 国内の腰痛症患者はおよそ2800万人とされ、これは日本人の4人に1人に当たる。その主な要因が椎間板障害と言われ、年間1700億円を超える医療費が治療に使われているが、根本的な治療法はない。

 酒井准教授らが実施する治験では、米国のドナーから採取した椎間板随核前駆細胞を患者の椎間板に移植する。椎間板には血管がないため拒絶反応が起きにくく、他人由来の細胞も免疫抑制剤を使用せず定着するという。

 患者の痛みや椎間板障害の度合いを点数化して治療前後で比較し、有効性を評価する。細胞を投与しない治療群も含め、全38例を目標に実施する。東海大学のほか千葉大学、山梨大学、三重大学、名古屋大学、大阪大学の付属病院で治験を実施する予定だ。

 酒井准教授は「これまでの研究で椎間板の修復が可能であると確認できた。対症療法でしのいできた患者にとって、人生を変える治療になると期待している」と話した。

日刊工業新聞2019年4月19日

  

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