花王が自家消費型太陽光発電の運用を拡大する理由

栃木工場と豊橋工場で稼動

 花王は栃木工場(栃木県市貝町、写真)と豊橋工場(愛知県豊橋市)で2月に太陽光発電設備を稼働させた。工場内で使う電力を自家発電でまかなう。投資額は非公開。2工場4棟合計で、約1100トンの二酸化炭素排出量を削減できる見込みだ。

 栃木工場にパネル発電容量1500キロワットの太陽光発電設備を、豊橋工場に同336キロワットの同設備を設置した。

 自家消費型太陽光発電設備を運用し、温室効果ガス排出量を削減する。環境省の補助事業案件の一つだという。

 同社は2018年から国内外問わず、各工場に順次再生可能エネルギーを導入している。今後も太陽光発電設備を中心に導入を進める。環境にも配慮した経営を目指す。

日刊工業新聞2019年4月4日

江原 央樹

江原 央樹
04月12日
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自社の事業活動全般に再生可能エネルギーを最大限活用しようとする動きが日本でも活発になり始めた。2016年のパリ協定発効に伴い、全世界の電力消費の3分の2が企業活動によるものという認識の下、ロンドンを起点に活動する国際的NPOのThe Climate GroupとCDPによって運営されるRE100(2050年までに企業の自然エネルギー100%利用を推進する国際ビジネスイニシアティブ)に参加する企業が欧米を中心に増加している。日本でも、2019年3月21日時点の情報として、17社が参加を表明している。持続可能な社会実現には、災害の激甚化や食料の自給へ多大な影響を及ぼしつつある気候変動への対策は不可欠であり待ったなしの状況であるとの認識が世界的に拡がり、また、気候変動が企業活動そのものへのリスクとして捉えられ始めていることがその一因である。日本では、環境・エネルギー対策はCSR的な印象がまだまだ強いが、世界的にはものすごいスピードで再生可能エネルギーの大量導入が進んでおり、自社の脱炭素化やカーボンニュートラルの実現をゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の重要な要素として捉え、真剣に考える時が来ているといって過言ではないだろう。

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井田 裕之
井田 裕之
04月12日
再生可能エネルギーで温室効果ガスを削減できても、水生生物の多様性に甚大な打撃を及ぼすおそれがある商品を生産するようでは、本末転倒どころかマイナスのままである。とくに大手企業は、表面的なアピールをする傾向があるので注意されたい。
  

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